文法解説
■反語
■(※ⅰ)豈
「豈」は反語を表し、「~だろうか、いや~でない」と訳す。
■形式:五言律詩
4つの句からなる詩を
絶句(ぜっく)といい、8つの句からなる詩を
律詩(りっし)といいます。この漢詩では、「細 草 微 風 岸」を1句と考えます。「旅夜書懐」は8つの句からなるので律詩です。
また、律詩のうち1つの句が5文字からなるものを
五言律詩(ごごんりっし)といい、1つの句が7字からなるもの
七言律詩(しちごんりっし)といいます。
以上から、「月夜」は「
五言律詩」となります。
■押韻:舟・流・休・鷗
押韻(おういん)とは、漢詩を読んだ時に一定のリズムが出るように、同じ響きの言葉を句の最後に置くことです。この「月夜」では、
舟(shuu)、流(ryuu)、休(kyuu)、鷗(ou)
が該当します。カッコの中は日本語の音読みです。だいたいが日本語の音読みで判別することができますが、本来は、作者が生きた時代の発音で韻を踏んでいるかどうかを確認します。よって今回の「鷗」のように、日本語の音読みだけでは判別ができない押韻も存在します。
押韻にはルールがあります。
五言律詩では、原則として偶数句末(第2句末、第4句末、第6句末、第8句末)に同じ響きの言葉が置かれます。
■対句
対句とは、句を強調するために、形や語感が似たペアの句を作る技法です。ペアとなる句は、文法構造や用いている文字が呼応しているなどの特徴があります。
五言律詩では原則として「第3句と第4句」、「第5句と第6句」が対句となります。旅夜書懐は例外で、「第1句と第2句」、「第3句と第4句」そして「第5句と第6句」となっているので注意しましょう。 これは、同じく杜甫が詠んだ漢詩「
春望」にもみられる特徴です。
■第1句と第2句
細 草 微 風 岸
危 檣 独 夜 舟
■第3句と第4句
星 垂 平 野 闊
月 湧 大 江 流
■第5句と第6句
名 豈 文 章 著
官 応 老 病 休