論語『子曰、不患人之不己知(人の己を知らざるを患えず)』解説・書き下し文・口語訳
中国の思想家
孔子が述べたものを弟子たちがまとめたもの、それが
論語です。
この書物は、孔子とその弟子たちの行動や言葉を記録したものであり、儒教の経典の一つです。その中には、孔子の思想や教えを知ることができます。
孔子は紀元前552年か紀元前551年に、魯国で生まれました。彼は幼い頃から周公旦の理想に憧れ、礼儀や道徳を重視する思想を持っていました。
結婚は19歳のときにし、28歳ごろに魯国で官職に就きましたが、政治的な成功は得られませんでした。36歳ごろからは弟子を受け入れ、51歳のときには大司寇(最高裁判官)になりましたが、55歳のときには魯国を離れて亡命しました。その後、各地を巡りながら教えを広めましたが、故郷への帰還の機会は与えられませんでした。
孔子は紀元前479年に74歳で亡くなりました。彼の思想は、その後も弟子たちや孟子などによって受け継がれ、儒教として中国や東アジアに広がっていきました。
孔子の思想は、仁(他人を思いやる心)、義(自分の欲望にとらわれず正しい行いをすること)、礼(他人を思いやるための具体的な行動)、智(道徳的な判断力)、信(真実を伝え誠実であること)などを重要視しました。
彼は人々に思いやりの心を持ち、多くの友人や弟子を持ちました。論語には、彼の名言や故事が数多く含まれており、現代でも参考になる箇所がたくさんあります。
ここでは、論語の第1章「
学而第一」の第16、「人の己を知らざるを患えず」の解説をしています。
白文
子曰、不患人之不己知、患己不知人也。
書き下し文
子曰く、『人の己を知らざるを患(うれ)えず、人を知らざるを患うるなり。』
現代語訳(口語訳)
先生はおっしゃいました。
「人が自分を認めてくれないことを心配するのではなく、自分が人を認めようとしないことの方を心配しなさい。」と