一緒に熱化学方程式の問題を解いてみましょう。
アンモニアが生成される際に46.1kj/molの熱を発した。熱化学方程式を解け。
まずアンモニアの化学反応式を書きます。
アンモニアは窒素と水素から成り立つ物質でしたね。そのことから
がまず出来上がります。
これに係数を書き加えて、化学反応式を完成形にしていきます。
これがアンモニアが生成されるときの化学反応式です。
これをベースに熱化学方程式を作って行きましょう。
アンモニアの生成熱が46.1kjであることから、
アンモニア1molが生成される際に、熱が46.1kj発生するということ、そしてアンモニアを基準に考えるということがわかります。
の化学反応式を、アンモニアが1molになるように書き換えると
となります。
これを元に熱化学反応式をつくると
となります。
(g)は(気体)を表しています。
今みた生成熱や燃焼熱のように、2つ以上の物質から何かができるという式は、実際に与えられたものを使って簡単に作ることができます。イメージがし易いと思います。
しかしこれからみていく
溶解熱や
蒸発熱には、生成熱や燃焼熱とは少し違った形の式をとります。さて、どのようにして熱化学方程式を書いていくのでしょうか?
1つの物質の変化を考える
塩化ナトリウムを水に溶かすときに3.88kj/molの熱を吸収する。熱化学方程式を解け。
物質を水に溶かすとき、熱化学方程式には決まった書き方があります。
物質+aq で水に溶かすを意味する
これは覚えてくださいね。
つまり、塩化ナトリウムを水に溶かしたときは、次のような熱化学方程式になります。
(s)は(個体)を、(l)は(液体)を表しています。
続けてもう1問いきましょう。
水の蒸発熱は41kjである。熱化学方程式を解け。
溶解熱のように「+aq」のような特殊な書き方はしませんが、
1つの物質の状態の変化を考えるという点では溶解熱と同じです。
そしてもう1つここでネックになってくるのは、
蒸発熱が「+」なのか「-」なのかということでしょう。
蒸発熱には決まりがあって、
蒸発するときには常に吸熱反応を示します。
したがって、
が答えとなります。
(l)は(液体)を、(g)は(気体)を表しています。
総括
いかがでしたでしょうか。
反応熱と1くくりで言っても、その熱化学方程式は様々です。
いろんな種類の方程式を見て、イメージを広げておくことをお勧めします。