はじめに
マイナスイオンが体にいいなんてCMよくありますね。
筆者は学生時代に化学の先生から、「マイナスイオンの何が体にいいのかわからない」と言われた経験があります。未だにその真相はわからないままなのですが。
余談はさておき、ここではその
イオンについて説明をします。
希ガス
イオンを勉強する前に、
希ガスという種類に属する元素について学びましょう。
希ガスとは、
第18族に所属する元素のことを指します。
18族?という人は
周期表を見なおしてみましょう。
縦の列をみていきます。左端から1族、2族、3族…と続いていき、周期表の一番右端に属する元素が18族、すなわち%%希ガス%%と言われるものです。
希ガスに属するものは
He | ヘリウム |
Ne | ネオン |
Ar | アルゴン |
Kr | クリプトン |
Xe | キセノン |
Rn | ラドン |
の6つです。この際ですからしっかりと覚えてしまいましょう。
変な姉ちゃん歩いてくるよ。キセルでラドン吸ってらぁ |
変な(He)姉(Ne)ちゃん歩(Ar)いてくる(Kr)よ。キセル(Xe)でラドン(Rn)吸ってらぁ |
と覚えましょう。
なぜ希ガス?
ではなぜこの希ガスとイオンとが関係あるのでしょうか。
この希ガスは、原子の電子配置が非常に安定している物質です。
なぜ安定しているかというと、最外殻電子の数がつねに8個の状態だからです。(Heの場合は2個)
希ガスに近づこうとする結果、イオンになる
希ガス以外の原子は、
なんとかこの希ガスに近づいて安定性を図ろうとする性質を持っています。
希ガスに近づいて安定がとれた物質のことを
イオンと言い、これが
イオンの前に希ガスを勉強する理由です。
イオン
先ほども述べたように、原子は
原子番号が一番近い希ガス元素の原子と同じ電子配置をとろうとする傾向があります。
■リチウムの場合
例えばリチウムをみてみましょう。リチウムは原子番号が3番で、K殻には2つの電子、L殻には1つの電子があります。
このとき、リチウムから一番近い希ガスはヘリウムです。
ヘリウム原子と同じ電子配列をとるためには、L殻の価電子を1つなくさなければなりませんね。
■塩素の場合
一方で塩素の場合はどうでしょうか。
塩素は原子番号が17番で、K殻に2つ、L殻に8つ、M殻に7つの電子を有しています。この塩素から一番近い希ガスは、アルゴンです。
アルゴン原子の電子配列に近づくためには、電子を1つ引っ張ってこなければいけません。
このように価電子を増やしたり減らして希ガスに近づいた物質のことをイオンといいます。電子を減らしたイオンのことを
陽イオン、電子を増やしたイオンのことを
陰イオンと言います。
電子を減らしたのに陽イオン、電子を増やしたのに陰イオン
少しややこしいですが、おさえておいてください。