夜警国家と福祉国家
国家の国民に対する関わり方は、大きくわけて2つあります。
夜警国家と呼ばれるものと福祉国家と呼ばれるものです。夜警国家は別名「
小さな政府」、福祉国家は「
大きな政府」とも呼ばれますので覚えておきましょう。
夜警国家
夜警国家とは、ドイツの
ラッサールが名付けた考え方です。
国家の国民に対する役割を
防衛と
治安維持に限定して、民間の自由な活動をできるだけ国が制限しないようにする国家の在り方です。
※国の役割が小さいということで小さな政府と呼ばれているわけなんですね。
福祉国家
福祉国家とは、経済的に弱い立場にある人たちのために、社会保障制度を整備し、国が国民の生活を幅広くカバーできる仕組みを備えた国家のことです。
※国が大きく国民生活に関わるので大きな政府と呼ばれているわけです。
所得の多い人たちからすれば、自分たちの所得を社会保障費という名目で徴収され社会的弱者に再分配をされてしまうので、あまりおもしろくはありませんよね。そのために、あまりやりすぎてしまうと経済の停滞を招く可能性があるとも考えられています。
19世紀までは国家のはたらきを小さくする夜警国家を目指す国が多かったのですが、20世紀になると福祉国家へと方向転換する流れがみられるようになります。しかしながら、
財政赤字や少子高齢化が追い打ちをかけ、その解消が大きな課題となっています。