徳治主義と法治主義
中国の思想家と言えば
孔子を思い浮かべる人も多いでしょう。ここでは孔子が唱えた
徳治主義、そして孔子が生きた時代に主流であった
法治主義について説明していきましょう。わかりやすく説明するために法治主義から説明していきます。
法治主義
法治主義とは、文字のとおり
法律の力を持って国を治めようとする考え方です。この思想を説いたのに
韓非がいます。
当時はこの考え方が主流で、中国を統一した秦は、法律と権力によって一大国家を築き上げ、多用な民族をまとめあげました。
徳治主義
この法治主義に意義を唱えたのが孔子です。孔子の思想の根底にあるものは「
仁」でしたので、道徳ではなく、法律や権力で人を支配することを良しとしなかったのでしょう。
孔子は、論語の中で以下のように説いています。
法律や権力で臣民を支配しようとすると、人は反発し、どうしても法の抜け穴を探すような卑しい真似をするようになってしまう。
君子(国のトップ)が人格者であれば、臣民(国民)は君子のために働きたいと思うだろうし、徳で得られた信頼はそう簡単に失われるものではない。
しかし孔子の説いた徳治主義を受け入れ採用した君主はいなかったとされています。