評論文の読解法 論文・論説文の解き方~読むときは、必ず対になる言葉に目をやる
評論文とは、
筆者が自分の意見を主張するための文章ですが、その多くが
筆者の主張とそれに対する反対意見を述べて、その2つを比べることで自分の主張が正しいんだと展開する形をとっています。
評論文は、特定の主題やトピックに関する考察や評価を行う文学的な形式の文章です。評論文は、著者が特定の事象などについての意見や批評を述べ、それを裏付ける論拠や根拠を提供します。
評論文は通常、明確なテーゼ(主張)を持ち、それを支持するための論理的な議論や証拠を提示します。著者は、自分の意見や見解を示すだけでなく、その主張を読者に納得させるために論拠や具体例を提供します。また、評論文では、対象となる作品や現象を分析し、その特徴や意義について深く掘り下げることもあります。
評論文の目的は、読者に対して対象となる作品や現象について新たな視点や理解を提供することです。また、評論文は著者自身の知識や洞察力を示す場でもあります。著者は、独自の視点や専門知識を活用して、読者に対して新たな見方や考え方を提案します。
評論文は、客観的な分析や主観的な評価を組み合わせることがあります。著者は客観的なデータや事実を提供しながらも、それを自身の主観的な意見や評価と結び付けます。このようなアプローチにより、評論文は客観性と主観性のバランスを取りながら、読者に対して説得力のある議論を展開します。
評論文は、学術的な文脈での研究論文やエッセイとは異なります。評論文は一般の読者を対象にし、よりアクセス可能な言葉やスタイルで書かれることが一般的です。しかし、評論文は著者の個人的な見解や評価を反映するため、異なる著者や評論家によって同じトピックについて異なる意見が存在することもあります。
評論文は、文学や芸術の鑑賞、批評、知識の深化を目指す読者にとって、重要な情報源となります。これらの文書は、作品や現象についての理解を深め、議論や対話を刺激する役割を果たします。
評論文を読み解くうえで大切なのは
・筆者の主張は何なのか
・主張が正しいとするために、どのような他の意見を取り上げているのか
・主張の反対意見は何なのか
・反対意見を陥れるために、どのような意見を挙げているのか
を見極めることです。
仮に筆者の主張をA、それに対する反対意見をBとしましょう。
すると、
必ずAとBは相反する意見になるわけです。
対になる言葉を見つけてAとBを見極める
このAとB、文章をじっくり読むと見極めがつくのですが短い試験時間の間でそこまで余裕をもって取り組めるとも限りません。
そこで2つの意見を見極められる可能性のあるテクニックをご紹介します。
それは「対になる言葉を探す」です。
例えば戦争について反対であるという意見を筆者が主張していたとします。
反対する理由としては、「
破壊・
喪失・
世界平和」といった言葉を使って主張されることが容易に想像できますよね。
一方で戦争に賛成する理由を反対意見として挙げてみましょう。
おそらく「
雇用の創造・
武器の輸出で潤う」といった意見があげられるでしょう。
「破壊・喪失」と「創造・潤う」
真逆の言葉ですね。
このように
対になる言葉に注意しながら文章を読むことで、今読んでいる部分が筆者の意見を支持しているのか、それとも筆者の意見の反対意見なのかを見分けることができます。