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20_80 民主政治の基本原理と日本国憲法 / 民主政治

選挙権と請求権の仕組みとは わかりやすい政治・経済77

著者名: レキシントン
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現代社会における主権の行使と人権保障:選挙権と請求権の仕組みを学ぶ


私たちが暮らす現代の民主主義社会において、国民が政治に参加し、自らの権利を守るための仕組みは非常に重要な役割を果たしています。ここでは、日本国憲法が保障する「参政権」の核となる「選挙権」と、国家に対して積極的な働きかけを可能にする「請求権」について、その意義と具体的な内容を詳しく解説します。



1. 民主主義の根幹を支える「選挙権」


国政の方向性を決定づける最も基本的かつ強力な権利が「選挙権」です。主権者である国民が政治に参加するための「参政権」の中でも、中心的な位置を占めています。

近代的な選挙制度においては、以下の5つの原則が保障されていることが一般的です。

普通選挙:財産や性別などで差別されず、一定の年齢に達したすべての国民に認められること。

平等選挙:一人一票の価値を等しく扱うこと。

自由選挙:誰に投票するかを、本人の自由な意志で決定できること。

秘密選挙:誰に投票したかを他人に知られないようにすること。

直接選挙:代表者を国民が直接選出すること。

この選挙権の性質については、二つの考え方があります。一つは、国民が自らの意志を国政に反映させるための「権利」であるという見方です。もう一つは、国家の運営に参画すべき「公務(公共の務め)」であるという見方です。現代では、これら両方の側面を併せ持っているとする説が有力ですが、国によっては「公務」としての側面を強調し、投票を怠った場合に罰則を設けている例もあります。

【事例:成年後見制度と選挙権的回復】

かかつて日本の公職選挙法には、成年後見人が付いた人(精神上の障害等により判断能力が不十分な人)の選挙権を一律に奪う規定がありました。しかし、2013年(平成25年)3月の東京地裁判決において、この規定は「合理的理由なく権利を奪うものであり、憲法違反である」と判断されました。これを受け、同年5月に法改正が行われ、成年後見を受けている方々の選挙権が回復するという大きな変化がありました。これは、誰一人取り残さない人権保障の姿勢を示す重要な事例といえます。

2. 権利を実現するための「請求権(受益権)」


憲法で保障された人権が侵害されたり、具体的な制度として実現されていなかったりする場合、私たちは国家に対して「何らかの行動」を求めることができます。これを「請求権」あるいは「受益権」と呼びます。

① 請願権(憲法16条)

国民が国や地方公共団体に対して、法律の制定や改廃、行政のあり方などについて要望を伝える権利です。歴史的には、絶対君主に対して国民が声を届ける貴重な手段でした。現代では議会政治いと言論の自由が確立されたことで、かつてほどの重要性は低下したと言われることもありますが、住民投票の実施を求める動きなど、直接民主主義的な側面で再び注目されています。ただし、国会に提出される請願の数に対して、実際に採択される割合は必ずしも高くはないという現状もあります。

② 裁判を受ける権利(憲法32条)

人権を侵害された場合や、法的な争いが生じた際に、公正な裁判所による判断を求める権利です。政治権力から独立した司法が機能することで、国民の権利は守られます。
この権利は、民事・刑事・行政のいずれを問わず、すべての人が裁判所に公正な審判を求めることができる権利を指します。なお、刑事裁判において被告人が不当に処罰されないための権利(迅速で公開された裁判を受ける権利や弁護人を依頼する権利など)は、憲法37条で別途手厚く保障されています。また、裁判の過程で、適用される法律が憲法に違反していないかを裁判所がチェックする「違憲立法審査権」が発揮されることで、国民の人権がより強固に守られる仕組みになっています。

③ 損害賠償請求権(憲法17条)

公務員が職務を行う中で不法な行為をし、国民に損害を与えた場合、その損害を国や地方自治体に賠償してもらう権利です。これは「国家賠償法」という法律に具体的に定められています。近年では、公共施設の不備による事故や、公的な活動に起因する公害、薬害訴訟など、幅広い分野でこの権利が行使されています。

④ 刑事補償請求権(憲法40条)

刑事事件で疑いをかけられ、身体を拘束された後、裁判で無罪が確定した場合、国に対して金銭的な補償を求めることができる権利です。冤罪(えんざい)によって失われた自由や精神的苦痛に対し、国が責任を持って補償を行う仕組みです。

私たちが持っている権利は、単に「持っている」だけでは十分ではありません。選挙を通じて政治に意思を示し、必要に応じて国家に公正な対応を求める。こうした「参加」と「請求」の仕組みを正しく理解し、活用していくことが、より良い民主主義社会を築くための第一歩となります。
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・選挙権と請求権の仕組みとは わかりやすい政治・経済77

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『教科書 政治・経済』 山川出版社

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