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古文単語「みだる/乱る」の意味・解説【ラ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「みだる/乱る」の意味・活用・使用例【ラ行下二段活用】

このテキストでは、ラ行下二段活用の動詞「みだる/乱る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ラ行下二段活用

未然形みだれ
連用形みだれ
終止形みだる
連体形みだるる
已然形みだるれ
命令形みだれよ


意味1:自動詞

入り乱れる、交じり合う

[出典]百人一首 待賢門院堀河
「長からむ 心もしらず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ」

[訳]:(私のことを想ってくださるお気持ちが)末永く変わらないかどうかもわかりません。(一夜を共にして別れた)今朝はこの黒髪のように心も乱れ、物思いにふけっています。


意味2:自動詞

騒ぎが起こる、騒動が起こる、混乱する

[出典]平家物語
「遠くの異朝をとぶらへば、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の禄山、これらは皆、旧主先皇の政にも従はず、楽しみを極め、諫めをも思ひ入れず、天下の乱れんことを悟らずして...」

[訳]:遠く外国(の例)を探すと、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱忌、唐の禄山、これらの者はみな、もとの主君や前の皇帝の政治にも従わず、享楽の限りを尽くし、(他人の)諌言も気にかけることなく、天下が混乱していることを理解せず...


意味3:自動詞

(礼儀や態度などが)
だらしない

[出典]:枕草子
「「内わたりなどのやんごとなきも、今日は皆乱れてかしこまりなし。」

[訳]:内裏などの特別な場所でも、今日はみなだらしなくなって慎みがない。


意味4:自動詞

心の平静を失う、思い悩む

[出典]:源氏物語
「さまざま乱るる心のうちをだに、え聞こえあらはしたまはず、いぶせし。」

[訳]:いろいろと思い悩む心の中さえも、お打ち明け申すことができず、心が晴れない。


意味5:他動詞

ばらばらに散らす、入り交らせる



意味6:他動詞

心を乱れさせる、思い悩ませる、乱す

[出典]:源氏物語
「今さらに心をみだるも、いといとほしげなり」

[訳]:今さら心を乱すのも、とても気の毒な様子である。


意味7:他動詞

世の中を騒がせる、混乱させる

[出典]:平家物語
「この一門を滅ぼして、天下を乱らんとする企てあり。」

[訳]:この一門を滅ぼして、天下を混乱させようとする企てがある。


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