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古文単語「ふる/触る」の意味・解説【ラ行四段活用/ラ行下二段活用】 |
著作名:
走るメロス
17,399 views |
「ふる/触る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用/ラ行下二段活用】
このテキストでは、ラ行四段活用/ラ行下二段活用の動詞「ふる/触る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「ふる」には
①旧る/古る
②降る
③触る
④震る
⑤振る
⑥経る
などの用法があるが、ここでは「③触る」を扱う
また、「ふる/触る」は
①ラ行四段活用
②ラ行下二段活用
の用法がある。
①ラ行四段活用
未然形 | ふら |
連用形 | ふり |
終止形 | ふる |
連体形 | ふる |
已然形 | ふれ |
命令形 | ふれ |
■意味1:自動詞
ちょっとさわる、触れる。
[出典]:万葉集
「吾妹子に触るとはなしに荒磯廻に我が衣手はぬれにけるかも」
[訳]:いとしい妻に触れることなく、荒磯のあたりで私の袖は濡れてしまったことだよ
「吾妹子に触るとはなしに荒磯廻に我が衣手はぬれにけるかも」
[訳]:いとしい妻に触れることなく、荒磯のあたりで私の袖は濡れてしまったことだよ
②ラ行下二段活用
未然形 | ふれ |
連用形 | ふれ |
終止形 | ふる |
連体形 | ふるる |
已然形 | ふるれ |
命令形 | ふれよ |
■意味1:自動詞
ちょっと触る、触れる。
[出典]:明石 源氏物語
「久しう手触れたまはぬ琴を、袋より取り出でたまひて...」
[訳]:(光源氏は)長い間手をお触れになっていない琴を、袋から取り出しなさって...
「久しう手触れたまはぬ琴を、袋より取り出でたまひて...」
[訳]:(光源氏は)長い間手をお触れになっていない琴を、袋から取り出しなさって...
■意味2:自動詞
男女が馴れ親しむ、契る。
※この場合、多くが「肌ふる」の形で用いられる。
■意味3:自動詞
何かにつけて。
※この場合、多くが「事にふれる」の形で用いられる。
[出典]:紅葉賀 源氏物語
「かく幼き御けはひの、事にふれてしるければ...」
[訳]:このように幼いご様子が、何かにつけて目立つので...
「かく幼き御けはひの、事にふれてしるければ...」
[訳]:このように幼いご様子が、何かにつけて目立つので...
■意味4:自動詞
箸をつける、少し食べる。
[出典]:桐壷 源氏物語
「朝餉の気配ばかり触れさせたまひて...」
[訳]:普段の食事もほんのすこし箸をつけなさるだけで...
「朝餉の気配ばかり触れさせたまひて...」
[訳]:普段の食事もほんのすこし箸をつけなさるだけで...
■意味5:自動詞
耳に入る。
※この場合、多くが「耳にふる」の形で用いられる。
■意味6:他動詞
広く告げ知らせる。
[出典]:いみじき成敗 沙石集
「「まことに。」とて、あまねく触れけるに、主といふ者出で来て、これを得てあまりにうれしくて...」
[訳]:「もっともだ。」と(思い)、余す所なく広く告げ知らせたところ、持ち主だという者が現れて、これを手に入れてあまりにも喜んで...
「「まことに。」とて、あまねく触れけるに、主といふ者出で来て、これを得てあまりにうれしくて...」
[訳]:「もっともだ。」と(思い)、余す所なく広く告げ知らせたところ、持ち主だという者が現れて、これを手に入れてあまりにも喜んで...
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