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サツマイモ(さつまいも)とは わかりやすい世界史用語373
著作名: ピアソラ
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サツマイモ(さつまいも)とは

サツマイモ(さつまいも)の歴史について、英語の情報源を参照して、日本語での詳細な解説を行います。さつまいもは、学名 *Ipomoea batatas* として知られ、ヒルガオ科に属する植物です。その起源は南アメリカの熱帯地域にあり、現在のエクアドル地域が原産地とされています。

さつまいもは、約5000年以上前から食用として利用されており、その名前は先住民族の言葉「batatas」に由来しています。この言葉はスペイン語で「patata」、フランス語で「patae」と変化し、最終的に英語の「potato」となりました。興味深いことに、さつまいもはヨーロッパに導入された時期がアイリッシュポテトよりも早かったため、元々「potato」という言葉はさつまいもを指していました。



さつまいもは、1000年頃にはクック諸島で栽培されていたことが確認されており、ポリネシア、ハワイ、ニュージーランドへの伝播は、南アメリカと往来していた初期ポリネシア人によってもたらされたと考えられています。クリストファー・コロンブスも、新世界への航海中にさつまいもに遭遇し、1500年頃にスペインへと持ち帰ったと記録されています。その後、さつまいもは暖かい気候を好むため、ヨーロッパの北部地域への普及は遅れましたが、1648年にはバージニアで栽培されていたとされています。

さつまいもは、その肉質で甘い根を食用としており、茹でたり、マッシュしたり、パイの詰め物として使用されます。日本では、乾燥させたり、デンプンやアルコールの製造に利用されています。また、さつまいもは、その栄養価の高さから、ビタミンAを豊富に含む食品としても知られています。

さつまいもの栽培には、通常、長く這う茎と、形状が異なる葉が特徴です。花はピンクやローズバイオレットがかった漏斗形で、葉の腋に房状に咲きます。食用部分は、紡錘形から長方形、または尖った楕円形まで形状がさまざまな根で、内部の色は白からオレンジ、時には紫色をしており、外部は淡いバフ色から茶色、ローズ色、紫赤色まで変わります。主にデンプンから成り立っており、オレンジ色の肉質の品種はカロテンが豊富です。

さつまいもは、アメリカ合衆国南部、熱帯アメリカ、カリブ海、太平洋の温暖な島々、日本、そしてロシアの一部地域で広く栽培されており、重要な食料作物となっています。栽培には、根から生じる芽(スリップ)や、蔓の切り口を用いて無性的に増殖され、軽くて砂質の土壌、例えば砂質ロームに最も適しています。大量の収穫には、少なくとも4〜5ヶ月の温暖な気候が必要です。

さつまいもは、一般的なジャガイモ(Solanum tuberosum)や、アフリカのヤムとは無関係であり、北米では「yam」と呼ばれることがありますが、これは「柔らかい」さつまいもを「硬い」品種と区別するための名称です。アフリカから連れてこられた奴隷が、彼らが知っているヤムに似ているとして「柔らかい」さつまいもを「yam」と呼んでいたため、この名前が定着しました。

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