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メソアメリカ文明(中米文明)とは わかりやすい世界史用語370
著作名: ピアソラ
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メソアメリカ文明とは

メソアメリカ文明は、現在のメキシコから中央アメリカにかけての地域に栄えた、複数の高度な文化や文明の総称です。この地域は、北はメキシコのパヌコ川からシナロア川あたりまで、南はホンジュラスのモタグァ河口からコスタリカのニコヤ湾あたりまで広がっていました。メソアメリカ文明は、紀元前2000年頃からスペイン人の到来する15世紀末まで続きました。

メソアメリカ文明の特徴は、地理的に孤立した環境で発展した点にあります。アジア、ヨーロッパ、アフリカの三大陸の文明との交流を経験せず、また南米のアンデス文明とも異なる独自の発展を遂げました。そのため、古代中国、メソポタミア、アンデスと並ぶ「世界の四大一次文明」とも呼ばれることがあります。

メソアメリカ文明には、オルメカ文明、テオティワカン文明、マヤ文明、トルテカ文明、アステカ文明など、多様な文明が存在しました。これらの文明は、それぞれ独自の文字体系や暦、宗教体系を持ち、巨大な建造物や都市を造営する高度な建築技術を有していました。

オルメカ文明は、メソアメリカ文明の中でも最も古い文明の一つで、「母なる文明」とも呼ばれています。紀元前1250年頃から紀元前後にかけてメキシコ湾岸で栄え、巨石彫刻や神殿建造などの技術で知られています。

テオティワカン文明は、メキシコ中央高原で紀元前後から7世紀頃にかけて栄えた文明で、その中心都市であるテオティワカンは、当時の世界で最も大きな都市の一つでした。この文明は、特に巨大なピラミッドや神殿で知られています。

マヤ文明は、メキシコ南東部、ユカタン半島、グアテマラなどで紀元前3世紀から16世紀にかけて繁栄しました。マヤ文明は、精密な天体観測と暦、階層的な社会構造、そして複雑な象形文字で有名です。

トルテカ文明は、7世紀から12世紀頃にメキシコ中央高原で栄え、戦士の像で知られるケツァルコアトル神殿など、戦闘的な文化が特徴です。

アステカ文明は、14世紀から16世紀にかけてメキシコ高原で栄えた文明で、強力な軍事力と広大な貿易網、そして生贄の儀式で知られています。

これらの文明は、スペイン人の到来とともに滅亡の道を辿りました。スペイン人は先進的な武器と伝染病をもたらし、メソアメリカの文明は抵抗することができませんでした。スペイン人の侵入により、メソアメリカ文明は政治的に征服され、キリスト教化の中で多くの神殿が破壊され、高度な技術や文化を担っていた支配者層が弾圧されました。

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