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古代エジプトの死者の書とは 世界史用語159
著作名: ピアソラ
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死者の書とは

古代エジプトの死者の書とは、紀元前1550年頃から紀元前50年頃まで使われた、ミイラに添えられたパピルスに書かれた呪文や魔法の言葉の集まりです。古代エジプト語では「日の出るところへ出るための書」と呼ばれていました。この名前は、死者が墓から出て、冥界を通って、死者の神オシリスと合一するという願いを表しています。この書は、紀元前2400年頃から使われていたピラミッドの銘文や紀元前2000年頃から使われていた棺の銘文など、古い時代の葬送文書の影響を受けています。後には、太陽神ラーへの賛歌なども加えられました。この書は、多くの著者や編者や出典によって作られたもので、統一されたものではありませんでした。書記たちは、パピルスに色鮮やかな絵を添えて、個人に合わせて呪文を選んで書き写し、埋葬用に販売していました。現在知られている呪文は約200種類ありますが、どのパピルスにもすべての呪文が含まれているわけではありませんでした。この書には、死者が冥界で直面するさまざまな試練や危険に対処するための方法が書かれていました。例えば、死者の心臓が真実の羽根と天秤にかけられる場面や、死者が冥界の神々に自分の罪を否定する場面などがあります。この書は、死者の書という現代的な呼び名を、1842年に最初にこの書の集成を出版したドイツのエジプト学者カール・リヒャルト・レプシウスによって与えられました。この書は、古代エジプト人の死生観や宗教観を知るための貴重な資料となっています。



まず、死者の書の呪文の種類と内容についてです。死者の書には、約200種類の呪文がありますが、その中には以下のようなものがあります。

死者の心臓を真実の羽根と天秤にかける呪文(第125章)
死者が冥界の神々に自分の罪を否定する呪文(第125章の一部)
死者が冥界のさまざまな門や守護者を通過する呪文(第144章から第147章)
死者が太陽神レーの船に乗る呪文(第15章)
死者が自分の姿を変える呪文(第76章から第88章)
死者が水や食物を得る呪文(第59章から第61章)
死者が蛇やワニなどの敵から守る呪文(第39章から第41章)

これらの呪文は、死者が冥界で直面するさまざまな試練や危険に対処するためのもので、死者の魂を守り、力を与え、生き返らせると信じられていました。呪文は、古代エジプト語で書かれ、ヒエログリフやヒエラティックという文字で表されました。呪文には、神々や死者や魔法の言葉などの名前が多く含まれていました。呪文の中には、数学的な計算や天文学的な知識なども反映されていました。

次に、死者の書の絵画とその意味についてです。死者の書には、呪文に関連する絵画が多く描かれていました。絵画は、パピルスに色鮮やかな絵具で描かれ、死者の書を美しく飾りました。絵画には、以下のようなものがあります。

死者の心臓を真実の羽根と天秤にかける場面
死者が冥界の神々に自分の罪を否定する場面
死者が冥界の門や守護者を通過する場面
死者が太陽神ラーの船に乗る場面
死者が自分の姿を変える場面
死者が水や食物を得る場面
死者が蛇やワニなどの敵から守る場面
死者の肖像や家族や神々との関係

これらの絵画は、死者の書の呪文の内容を視覚的に表現し、死者の冥界での旅路を描き出しました。絵画は、死者の個性や希望や信仰を反映しており、死者の書を個人化する役割を果たしました。絵画は、古代エジプトの芸術や宗教や文化を知るための貴重な資料となっています。




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