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パンテオン(万神殿)とは わかりやすい世界史用語1139 |
著作名:
ピアソラ
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パンテオン(万神殿)とは
パンテオンは、ローマ帝国時代の重要な建築物であり、その歴史は紀元前25年にさかのぼります。最初のパンテオンは、アウグストゥス帝の側近であるマルクス・アグリッパによって建設され、ローマの神々に捧げられた神殿として設計されました。しかし、のちに大火でこの建物は焼失しました。
現在のパンテオンは、ハドリアヌス帝の治世に再建され、118年から128年にかけて完成しました。ハドリアヌスは、アグリッパの元の碑文を新しい建物に残すことで彼の功績を称えました。そのため、パンテオンの正面には「M. AGRIPPA L. F. COS TERTIUM FECIT(ルキウスの息子マルクス・アグリッパが、3度目のコンスルの際に建造)」という碑文が刻まれています。
パンテオンの構造と設計
パンテオンは、その独特な建築デザインで知られています。建物は円形のロタンダ(円形堂)と、前面にあるポルチコ(柱廊)から構成されています。ポルチコには、巨大な花崗岩のコリント式柱が8本並び、その後ろにはさらに4本の柱が配置されています。これらの柱は、重厚なペディメント(切妻)を支えています。
ロタンダの内部は直径と高さが同じ43メートルの巨大なドームで覆われており、このドームは古代ローマの建築技術の頂点を示しています。中央には直径9メートルのオクルス(天窓)があり、そこから自然光が差し込み、内部を照らします。
パンテオンの用途と歴史的変遷
パンテオンは元々ローマの神々に捧げられた神殿として建設されましたが、その用途は時代とともに変わりました。紀元609年には、東ローマ帝国の皇帝フォカスによってローマ教皇に寄贈され、キリスト教の教会「サンタ・マリア・アド・マルティレス」として再利用されました。
中世を通じてパンテオンは教会としての役割を果たし続けましたが、ルネサンス期には再び注目を集め、多くの著名な芸術家や建築家がここに埋葬されました。
パンテオンの建築技術と影響
パンテオンの建築技術は、古代ローマの技術力を象徴しています。特に、そのドームの構造は驚異的で、無補強コンクリートのドームとしては最大のものです。このドームは、上部に向かってコンクリートの密度を減少させる技術が用いられ、軽量化が図られています。
パンテオンの設計は後世の建築に大きな影響を与えました。ルネサンス以降、多くの建築家がパンテオンのデザインを模倣し、ヨーロッパやアメリカの建物にその影響を見出すことができます。
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