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シュメール人の都市国家ラガシュとは 世界史用語98 |
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著作名:
ピアソラ
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シュメール人は、紀元前4千年紀から紀元前2千年紀にかけて、メソポタミアの南部に住んでいた古代民族です。シュメール人は、世界最古の文明のひとつを築き、文字、法律、数学、天文学、建築、芸術など、多くの分野で革新的な発展を遂げました。シュメール人は、都市国家と呼ばれる小さな政治単位に分かれており、しばしば争いや同盟を繰り返していました。シュメール人の都市国家の中でも、特に重要な役割を果たしたのが、ラガシュという都市国家です。ラガシュは、チグリス川とユーフラテス川の間に位置し、ウルクの東約22キロメートルにあった都市です。ラガシュは、紀元前3千年紀に独自の王朝を築き、シュメールの政治、経済、宗教、文化に大きな影響を与えました。
ラガシュの歴史は、紀元前3千年紀に分けられます。最初の時期は、初期王朝時代と呼ばれ、紀元前2500年頃から紀元前2300年頃まで続きました。この時期には、ラガシュはシュメールの中でも有力な都市国家として繁栄し、周辺の都市国家との戦争や同盟を通じて領土を拡大しました。ラガシュの王たちは、自らを「王」(lugal)と称し、自分たちの勝利や建設を粘土板や石碑に記録しました。ラガシュの初期王朝時代の王たちの中でも、特に有名なのが、エアンナトゥムとエンテメナです。エアンナトゥムは、隣国のウンマとの境界争いに勝利し、シュメール最古の歴史的文書とされる「鷲の柱」を建てました。この柱には、エアンナトゥムがウンマの軍隊を打ち破り、神々の加護を受けたことが、象形文字とレリーフで描かれています。エンテメナは、エアンナトゥムの甥で、ウンマとの和平を結び、ラガシュの領土を安定させました。エンテメナは、銀製の花瓶に自分の業績を刻み、ラガシュの神殿に奉納しました。この花瓶には、エンテメナがウンマの王と友好的な関係を築き、ラガシュの神々に敬意を払ったことが、象形文字とレリーフで描かれています。
ラガシュの初期王朝時代は、紀元前2300年頃にアッカド帝国の王サルゴンによって終わりを迎えました。サルゴンは、シュメールを征服し、メソポタミアの大部分を支配下に置きました。ラガシュは、アッカド帝国の一部となり、その影響を受けました。しかし、紀元前2200年頃にアッカド帝国が崩壊すると、ラガシュは再び独立を回復しました。これが、ラガシュの歴史の二番目の時期で、後期王朝時代と呼ばれます。この時期には、ラガシュはグティ人という民族に従属する立場にありましたが、それでもなお、シュメールの文化を発展させました。ラガシュの後期王朝時代の王たちの中でも、特に有名なのが、グデアです。グデアは、おそらく王ではなく、グティ人の王に任命された総督でしたが、ラガシュの実質的な支配者でした。グデアは、ラガシュの神殿を多数建設し、貿易や農業を促進し、平和と正義を守りました。グデアは、自分の業績や信仰を粘土板や石像に記録しました。グデアの石像は、細部まで精巧に彫られており、グデアの顔や服装、姿勢などが、生き生きと表現されています。グデアの粘土板には、グデアが神殿の建設に際して、神々からの啓示や指示を受けたことが、楔形文字で書かれています。
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