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源氏物語『帚木』のあらすじを短くわかりやすく解説!
著作名: 走るメロス
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源氏物語『帚木』のわかりやすいあらすじ・主な登場人物の紹介

このテキストでは、源氏物語の第二帖『帚木』(ははきぎ)のあらすじを短くわかりやすく記しています。その他、主な登場人物などもまとめています。



帚木のあらすじ

光源氏が17歳の夏、ある五月雨の夜に、頭中将、左馬頭(さまのかみ)と藤式部丞(とうしきぶのじょう)の4人で、どのような女性が理想かについて話し合いました。この場面のことを「雨夜の品定め」(あまよのしなさだめ)と言います。

翌日、光源氏は紀伊守の邸に訪れ、人妻である空蝉(うつせみ)に一目惚れします。空蝉は、前日の談義で話題となった理想の属性を持つ女性でした。夜になり、光源氏は空蝉の部屋に忍び込んで強引に関係を持ちます。その後も手紙を送ったり、空蝉の弟の小君を近侍にしたりして彼女の気をひこうとしますが、空蝉は冷たく拒絶したのでした。

ちなみに空蝉の夫が伊予介、その連れ子(空蝉のとっては義理の息子)が紀伊守です。

主な登場人物

光源氏(17歳)

雨夜の品定めで話題になった、中流階級の空蝉と強引に関係を持つ。

頭中将(とうのちゅうじょう)

光源氏の正妻である葵の上の兄(弟?)。光源氏の親友であり恋敵でもある。

左馬頭(さまのかみ)

左馬頭は役職で本名は不明。「雨夜の品定め」で自身の経験を多く語り、議論をリードする役割を果たしている。

藤式部丞(とうしきぶのじょう)

藤式部丞は役職で本名は不明。「かしこき女」と呼ばれる女性との経験を語る。源氏物語ではこのシーンにのみ登場。

空蝉(うつせみ)

伊予介の後妻。光源氏と関係を持つも、その後は光源氏を拒絶する。桐壺の更衣をいじめた弘徽殿女御の妹。紫式部自身がモデルではないかと言われている。


源氏物語とは

源氏物語は平安中期に成立した長編小説です。一条天皇中宮の藤原彰子に仕えた紫式部が作者とするのが通説です。


おすすめの書籍

あさきゆめみし

源氏物語は、文字で読むには非常に難解な物語だと思います。一人の人物を指す言葉が何パターンもあるというのが理由の一つです。例えば第一帖「桐壺」に出てくる

・男御子
・御子
・君
・若宮
・宮
・源氏の君
・光る君
・源氏

という言葉はすべて、光源氏のことを指しています。光源氏の初恋の相手である藤壺を指す言葉は「先帝の四の宮、后の宮の姫宮、藤壺、御方、宮、かかやく日の宮」、桐壺更衣をいじめる弘徽殿女御を指す言葉は「右大臣の女御、一の御子の女御、弘徽殿、御方、女御、弘徽殿の女御、春宮の女御」と、非常に多くの表現が用いられており、このことが源氏物語を読みづらくしている要因の一つだと思います。そこでお勧めなのが漫画でイメージを掴むことです。特にここで紹介するあさきゆめみしは、半世紀近く読み親しまれてきた漫画の決定版だと思います。

読むのが難解な源氏物語を、まずは漫画で気軽に感じてみてはいかがでしょうか。


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