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高校古文『白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを』わかりやすい現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、伊勢物語の6段『芥川』そして『新古今和歌集』に収録されている歌「白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを」の現代語訳・口語訳と解説(縁語など)、そして品詞分解を記しています。



※伊勢物語に収録されている歌と新古今和歌集に収録されている歌は、後述の通り若干異なります。

原文

【伊勢物語】
白玉か 何ぞと人の 問ひしとき 露と答へて 消えなましものを

【新古今和歌集】
白玉か 何ぞと人の 問ひしとき 露と答へて 消なましものを

ひらがなでの読み方

【伊勢物語】
しらたまか なにぞとひとの とひしとき つゆとこたへて きえなましものを

【新古今和歌集】
しらたまか なにぞとひとの とひしとき つゆとこたへて けなましものを

現代語訳

「(あれは)真珠ですか、何ですか」と(あの人が)尋ねたときに、「(あれは)露だよ」と答えて、(その露が消えるように私も)死んでしまえばよかったのに。

解説

この歌の作者は在原業平です。伊勢物語によると、男が女を家から連れ出して逃げる途中に、女が草の露を見て「あれは何か」と尋ねたのですが、男は先を急ぐので答えぬままに、女が鬼に食べられてしまった(鬼に食べられたというのは比喩表現で、実際は連れ戻された)ことを嘆き悲しんだ男が詠んだ歌となっています。

技法

縁語

「消え」/「消」が「露」の縁語

品詞分解

※名詞は省略しています。



伊勢物語

白玉
終助詞または係助詞
代名詞
終助詞または係助詞
格助詞
格助詞
問ひハ行四段活用「とふ」の連用形
過去の助動詞「き」の連体形
とき
格助詞
答へハ行下二段活用「こたふ」の連用形
接続助詞
消えヤ行下二段活用「きゆ」の連用形
強意の助動詞「ぬ」の未然形
まし反実仮想の助動詞「まし」の連体形
ものを詠嘆の終助詞




新古今和歌集

白玉
終助詞または係助詞
代名詞
終助詞または係助詞
格助詞
格助詞
問ひハ行四段活用「とふ」の連用形
過去の助動詞「き」の連体形
とき
格助詞
答へハ行下二段活用「こたふ」の連用形
接続助詞
ヤ行下二段活用「きゆ」の連用形「きえ」が1音で発音されたもの
強意・確述の助動詞「ぬ」の未然形
まし反実仮想の助動詞「まし」の連体形
ものを詠嘆の終助詞


【伊勢物語『芥川・白玉か』(昔、男ありけり。女のえ得まじかりけるを〜)

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