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古文単語「とりあふ/取り合ふ」の意味・解説【ハ行四段活用/ハ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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とりあふ/取り合ふ

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「とりあふ」には
取り敢ふ(ハ行下二段活用)
②取り合ふ(ハ行四段活用)
などの用法があるが、ここでは「②取り合ふ」を扱う。

また「②取り合ふ」には、(1)ハ行四段活用と(2)ハ行下二段活用の活用がある。
(1)ハ行下二段活用

未然形とりあは
連用形とりあひ
終止形とりあふ
連体形とりあふ
已然形とりあへ
命令形とりあへ


意味1:自動詞

相手になる、関わり合う

[出典]:太平記
「この人ひとりかかる大社の訴訟にとりあうて」

[訳]: この人ひとりだけがこのような大社の訴訟に関わり合って...


意味2:自動詞

調和する、釣り合う

[出典]:子盗人
「これはこちらの道具とはとりあはぬ品ぢゃが...」

[訳]:これはこちらの道具とは調和しない品だが...


意味3:他動詞

奪い合う

[出典]留志長者のこと 宇治拾遺物語
「蔵ども皆開けて、かく宝ども皆人の取り合ひたる...」

[訳]: 蔵をすべて開けて、このようにたくさんの宝を人々が奪い合ったのは...


(2)ハ行下二段活用

未然形とりあへ
連用形とりあへ
終止形とりあふ
連体形とりあふる
已然形とりあふれ
命令形とりあへよ


意味1:他動詞

調和させる、折り合わせる

[出典]:少女 源氏物語
「青摺りの紙よく取り合へて...」

[訳]: 青摺りの紙をよく調和させて...


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