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【明治政府の外交、征韓論、江華島事件、西南戦争、紀尾井坂の変】 受験日本史まとめ 56 |
著作名:
Cogito
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明治政府の外交
明治成立当初からの外交課題として、欧米諸国との不平等条約改正と清国・朝鮮の国交再開がありました。1871年(明治4年)、明治政府は条約改正の予備交渉と欧米の視察を目的とした岩倉使節団を派遣しました。使節団には右大臣岩倉具視・参議木戸孝允・大蔵卿大久保利通・工部大輔伊藤博文などが参加しました。また、女子5人を含む60人の留学生が同行し、留学生のひとり津田梅子は1900年(明治33年)に女子英学塾(現在の津田塾大学)を創設しました。
領土問題も幕末以降存在し、樺太の領有権を巡ってロシアと交渉が続いていました。ロシアの南下が進む中、開拓次官(のち長官)の黒田清隆の主張により、1875年(明治8年)全権公使榎本武揚がロシアとの間で樺太・千島交換条約を結び、樺太をロシア領、千島を日本領としました。また、小笠原諸島もアメリカとの間で帰属が未解決でしたが、1876年(明治9年)アメリカ政府が日本領であることを認め、この領土問題も解決しました。
朝鮮の鎖国と征韓論
朝鮮半島との関係では、鎖国政策を続ける朝鮮に対し日本は国交樹立を求めましたが再三拒否されました。そのため、明治政府内で武力を背景に開国を迫る征韓論がおこり、西郷隆盛・板垣退助・後藤象二郎・江藤新平・副島種臣などの参議がこれを主張しました。1873年(明治6年)8月には、西郷隆盛を使節として朝鮮に派遣し、国交要求が認められなければ武力を用いて朝鮮を開国させることが内定しました。征韓論は、明治政府に不満を抱く士族層のいらだちを海外に向ける目的もありました。ところが、1873年(明治6年)9月に、西欧諸国からの視察を終えた岩倉使節団が帰国し、大久保利通・木戸孝允らは国力の増強と内治整備が第一であるとして征韓論に強く反対しました。こうして同年10月に征韓論に基づく方針は取り消され、西郷隆盛など征韓派の参議が辞職しました。これを明治六年の政変といいます。朝鮮の問題はその後1875年(明治8年)に軍艦雲揚が朝鮮沿岸で示威的な測量を行い、その後首都漢城近くの江華島に近づいた際砲撃を受けたため雲揚が反撃し、近くの島を占領しました。この江華島事件をきっかけに、日本は朝鮮に圧力をかけ、翌年1876年(明治9年)日朝修好条規(江華条約)を結びました。
清国と琉球
清国との関係では、1871年(明治4年)に日清修好条規・通商章程を結びました。同年、台湾で琉球漁民が殺害される事件が起こると、清国は台湾を「化外の地」として責任を取ろうとしなかったため、1874年(明治7年)西郷従道(西郷隆盛の弟)を派遣し、台湾出兵を行いました。この台湾出兵はのちイギリスの調停もあり、清国はこれを義挙と認め、償金50万両を支払い解決しました。
同時期、17世紀以降薩摩藩島津氏の影響下にあったものの、同時に清国にも朝貢していた両属関係だった琉球には1872年(明治5年)に琉球藩を置き、琉球王尚泰を藩王として華族に列し、1879年(明治12年)に軍を派遣し、廃藩置県を断行し、沖縄県を設置しました。これを琉球処分といいます。沖縄は、その後日清戦争に日本が勝利したことにより、正式に日本領となりました。
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