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『狩り暮らしたなばたつめに宿からむ天の河原に我は来にけり』わかりやすい現代語訳と解説・品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、古今和歌集伊勢物語の第82段「渚の院」に収録されている歌「狩り暮らしたなばたつめに宿からむ天の河原に我は来にけり」の原文、現代語訳・口語訳と解説(句切れ/掛詞など)、そしてその品詞分解を記しています。

原文

狩り暮らし たなばたつめに 宿からむ 天の河原に 我は来にけり

ひらがなでの読み方

かりくらし たなばたつめに やどからむ あまのかはらに われはきにけり

現代語訳

一日中狩りをして日暮れになったので、(今夜は)織姫に宿を借りることとしましょう。天の川の河原に私はきたのだなあ。



解説

作者は在原業平です。古今和歌集の詞書や伊勢物語には次のように書かれています。

惟喬親王と狩りをして天の川という川に行き着いたときに、親王が、「交野で狩りをおこなって、天の川のほとりに行き着いたことを題にして、歌を詠んで杯にそそぎなさい。」とおっしゃったことに対して詠んだ歌。

文法

句切れ

三句切れ

掛詞

「狩り暮らし」は、「一日中狩りをする」を意味するサ行四段活用「狩り暮らす」と、「日が暮れるまで時を過ごす」を意味するサ行四段活用「暮らす」を掛けた言葉。ちなみに「暮らす」には「一日中〜する」を意味する補助動詞としての役割もある。

品詞分解

※名詞は省略しています。



狩り暮らしサ行四段活用「かりくらす」の連用形
たなばたつめ
格助詞
宿
からラ行四段活用「かる」の未然形
意志の助動詞「む」の終止形
天の河原
格助詞
代名詞
係助詞
カ行変格活用「く」の連用形
完了の助動詞「ぬ」の連用形
けり詠嘆の助動詞「けり」の終止形


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