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高校古文『唐衣着つつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ』わかりやすい現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、伊勢物語の9段『東下り』そして『古今和歌集』に収録されている歌「唐衣着つつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」の現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解をしています。

原文

唐衣 着つつなれにし つましあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ

ひらがなでの読み方

からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ

現代語訳

(何度も着て身になじんだ)唐衣のように、(長年なれ親しんだ)妻が(都に)いるので、(その妻を残したまま)はるばる来てしまった旅(のわびしさ)を、しみじみと思うことです。

解説

この歌の作者は在原業平です。古今和歌集の詞書によると、この歌は都から東国へ旅をしたときに寄った、三河の八橋という所で詠まれた歌とされています。八橋を流れる沢のほとりにかきつばたが美しく咲いていたのを見て、かきつばたという5文字を和歌の(5・7・5・7・7の)各句の頭文字に置いて旅の気持ちを詠んだ歌です。この歌の各句の頭文字を取ると「かきつはた」となります。

ら衣 つつなれにし ましあれば るばる来ぬる びをしぞ思ふ

このような歌の技法を折り句といいます。

技法・単語解説

この歌には、折り句の他に、枕詞、序詞、掛詞、縁語、係り結びなどの技法が用いられています。

枕詞

「唐衣」は「着」にかかる枕詞。「着る」の他にも「裁つ」、「反す(かへす)」、「袖」、「裾」、「紐」などにかかります。

序詞

「唐衣着つつ」は、「なれ」を導く序詞。

掛詞

なれ「着慣れる」またはなじんで柔らかくなるを意味する「萎る」と「馴れ親しむ」の「なれる」を掛けた言葉
つま都に残してきた「妻」と衣の裾を意味する「褄」を掛けた言葉
はるばる着物を張るを意味する「張る張る」と「遥々」を掛けた言葉
きぬる「来」と「着」を掛けた言葉


縁語

「なれ」、「つま」、「はる、「き」は「唐衣」の縁語。

係り結び

旅をしぞ思ふ強調の係助詞「ぞ」+ハ行四段活用「おもふ」の連体形


品詞分解

※名詞は省略してあります。

唐衣枕詞
カ行上一段活用「きる」の連用形
つつ接続助詞
なれラ行下二段活用「なる」連用形
完了の助動詞「ぬ」の連用形
過去の助動詞「き」の連体形
つま
強調の副助詞
あれラ行変格活用「あり」の已然形
順接確定条件の接続助詞
はるばる副詞
カ行変格活用「く」の連用形
ぬる完了の助動詞「ぬ」の連体形
格助詞
強調の副助詞
強調の係助詞
思ふハ行四段活用「おもふ」の連体形


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