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古文単語「おもし/重し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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おもし/重し

このテキストでは、ク活用の形容詞「おもし/重し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形おもくおもから
連用形おもくおもかり
終止形おもし
連体形おもきおもかる
已然形おもけれ
命令形おもかれ


意味1

重い、重量がある

[出典]:世間胸算用 井原西鶴
「こころにくし。重き物を軽う見せたるは隠し銀に極まるところ。」

[訳]:あやしい。重い物を軽いように見せているのは、隠し金があるに違いない。


意味2

(身分や官位、価値などが)
高い

[出典]:牛を売る者あり 徒然草
「一日の命、万金よりも重し。」

[訳]:(人の)一日の命は、多くの金銭よりも価値が高い




意味3

程度がはなはだしい、ひどい、重大である

[出典]かぐや姫の昇天 竹取物語
「ここにおはするかぐや姫は、重き病をし給へば、え出でおはしますまじ。」

[訳]:ここにいらっしゃるかぐや姫は、ひどい病気にかかっていらっしゃるので、(外に)出ていらっしゃることはできないでしょう。


意味4

どっしりしている、落ち着いている、重々しい

[出典]桐壷 源氏物語
「一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、疑ひなき儲の君と、世にもてかしづき聞こゆれど」

[訳]:(帝の)第一の皇子は、右大臣の娘で女御となった人がお産みになった子で、後ろ盾がどっしりしており、疑いなく皇太子(となられる人)であると、世間でも大切にお世話し申し上げていますが...


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