|
|
|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
蜻蛉日記原文全集「ついたち、七八日のほどの昼つかた」 |
|
著作名:
古典愛好家
14,395 views |
|
蜻蛉日記
ついたち、七八日のほどの昼つかた
ついたち、七八日のほどの昼つかた、
「右馬頭(むまのかみ)おはしたり」
といふ。
「あなかま、ここになしとこたへよ。ものいはむとあらんに、まだしきに便(び)なし」
などいふほどに入りて、あらはなる籬(まがき)のまへにた立ちやすらふ。例もきよげなる人の、練りぞしたる着て、なよよかなる直衣、太刀ひきはき、例のことなれど、あか色の扇すこしみだれたるをもてまさぐりて、風邪はやきほどにえひふき上げられつつ立てるさま、絵にかきたるやうなり。
「きよらの人あり」
とて、奥まりたるをんなどもなど、うちとけすがたにて出でて見るに、ときしもあれ、この風の、すだれを外へふき内へふき、まどはせば、すだれをたのみたるものども我か人かにておさへひかへさわぐまに、なにか、あやしの袖口もみな見つらんと思ふに、死ぬばかりいとほし。よべ出居(いでい)のところより、夜ふけてかへりて寝臥(ねふ)したる人をおこすほどに、かかるなりけり。からうじておきいでて、ここには人もなきよし言ふ。風のここちあわたたしさに、格子をみな、かねてよりおろしたるほどにあれば、なにごといふもよろしきなりけり。しひて簀子(すのこ)にのぼりて、
「今日よき日なり。わらふだかひ給へ。ゐそめん」
など許かたらひて、
「いとかひなきわざかな」
とうちなげきてかへりぬ。
このテキストを評価してください。
|
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
蜻蛉日記原文全集「三月になりぬ」
>
蜻蛉日記原文全集「二日許ありて、ただことばにて」
>
平家物語原文全集「阿古屋之松 2」
>
蜻蛉日記原文全集「心のどかに暮らす日」
>
蜻蛉日記原文全集「さて昨日今日は関山ばかりにぞものすらんかしと思ひやりて」
>
枕草子 原文全集「わかき人/ちごは」
>
更級日記 原文全集「さるべきやうありて秋ごろ和泉にくだるに」
>
デイリーランキング
























