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蜻蛉日記原文全集「三月になりぬ」
著作名: 古典愛好家
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蜻蛉日記

三月になりぬ

三月になりぬ。かしこにも女房につけて申しつがせければ、その人のかへりごと見せにあり。

「おぼめかせ給ふめればなむ。これ、かくなん殿のおほせはべめる」


とあり。見れば、

「「この月、日あしかりけり。月たちて」

となん、暦(こよみ)御覧じてただ今ものたまはする」


などぞ書いたる。いとあやしう、いちはやき暦(こよみ)にもあるかな、なでふことなり、よにあらじ、この文(ふみ)かく人のそらごとならんとおもふ。
                               
                           

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