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高校古文『玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする』わかりやすい現代語訳と品詞分解 |
著作名:
走るメロス
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はじめに
このテキストでは、新古今和歌集に収録されている歌「玉の緒よ絶えねば絶えね ながらへば忍ぶることの弱りもぞする」の現代語訳・口語訳と解説、品詞分解を記しています。ちなみにこの歌は、小倉百人一首にも編纂されています。
※新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)は、鎌倉時代初期に編纂された勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。
原文
玉の緒よ絶えなば絶えね ながらへば忍ぶることの弱りもぞする
ひらがなでの読み方
たまのをよたえなばたえね ながらへばしのぶることのよわりもぞする
現代語訳
(私の)命よ、絶えるのならば絶えてしまえ。このまま長く生きていれば、耐え忍ぶ力が弱って(心に秘めた恋がばれて)しまいそうだから。
解説
この歌は、後白河法皇の娘であった式子内親王(しょくしないしんのう・しきしないしんのう)が詠んだものです。「忍ぶる恋」というテーマで詠まれたものといわれています。今で言うところの「人には知られていない秘密の恋」といったところでしょうか。
「玉の緒」は命を表し、この命が「絶えるなら絶えてしまってもよい=死んでもよい」となかなか強烈な句で始まっています。ではなぜ死んでしまってもよいと式子内親王は思われたのか、その理由が歌の後半に書いてあります。
「ながらう」は「長く生きる」という意味です。「忍ぶ」には「気づかれないようにする」と「我慢する」という意味がありますが、この歌が恋の歌ということを考えると、気づかれないようにしていた恋と、その恋心を人に伝えるのを我慢しなければならないという気持ちがこめられた言葉でしょう。というのも、式子内親王は生涯独身でいなければならない身分だったために、恋をかなえることはおろか、人に伝えることができなかったのです。
そのために恋心を抑えなければならないのですが、長く生きれば生きるほど、その意志が弱ってしまいそう・・・だから命が絶えてしまってもかまわないと歌っているわけですね。
品詞分解
※名詞は省略しています。
玉の緒 | ー |
よ | 間接助詞 |
絶え | ヤ行下二段活用「たゆ」の連用形 |
な | 強意の助動詞「ぬ」の未然形 |
ば | 接続助詞 |
絶え | ヤ行下二段活用「たゆ」の連用形 |
ね | 強意の助動詞「ぬ」の命令形 |
ながらへ | ハ行下二段活用「ながらふ」の未然形 |
ば | 接続助詞 |
忍ぶる | バ行上二段活用「しのぶ」の連体形 |
こと | ー |
の | 格助詞 |
弱り | ラ行四段活用「よはる」の連用形 |
も | 係助詞 |
ぞ | 係助詞 |
する | サ行変格活用「す」の連体形 |
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