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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「ブルネイ・ダルサラーム国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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ブルネイ・ダルサラーム国

ブルネイ・ダルサラーム国(以下「ブルネイ」、英語ではBrunei Darussalam)は、東南アジアのボルネオ島の北部に位置する立憲君主制国家です。首都はバンダルスリブガワンです。

このテキストでは、ブルネイの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。

国土

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ブルネイは、ボルネオ島の北岸に位置し、南シナ海に面しています。マレーシアのサラワク州によって国土が東西に分断されているという特徴があります。国土面積は、約5,765平方キロメートル(2024年時点)です。これは日本の三重県とほぼ同じ大きさです。国土の大部分が熱帯雨林に覆われており、生物多様性の宝庫です。首都はバンダルスリブガワンです。国土の約81%が森林で覆われており、その多くが手つかずの自然として保護されています(2024年時点)。


人口と人種

ブルネイの人口は約46.8万人(2024年)です。人口の約83%が都市部に居住しています。民族構成は、マレー系が65.8%、中華系が10.3%、その他先住民や非マレー系が23.9%を占めています。多様な民族が共存しており、マレー系が多数を占める一方、中華系コミュニティは経済活動において重要な役割を担っています。


言語

ブルネイの公用語はマレー語です。英語も広く使われており、ビジネスや教育の場で重要な役割を果たしています。中華系住民の間では中国語も話されています。ブルネイは多言語社会であり、特に都市部ではマレー語と英語の両方が日常的に使われています。教育制度においても、マレー語と英語の両方が使用されるバイリンガル教育が導入されています。


主な産業

ブルネイ経済は、石油と天然ガスに大きく依存しています。これらの資源はGDPの約60%を占めています(2023年時点)。石油・天然ガス産業が国の主要な収入源であり、政府は経済の多角化を目指し、イスラム金融や観光、ITなどの非石油・ガス産業の育成に力を入れています。特に、ハラール食品産業やイスラム金融は、イスラム教国としての強みを活かした成長分野として注目されています。政府は「Vision 2035」を掲げ、持続可能な経済発展を目指しています。


主な観光地

ブルネイの主な観光地は、文化遺産と豊かな自然に分けられます。首都バンダルスリブガワンには、歴史的建造物や世界最大の水上集落があり、一方で国土の大部分を占める熱帯雨林も、観光の重要な要素となっています。

スルターン・オマール・アリ・サイフディーン・モスク

ブルネイの首都バンダルスリブガワンにある、第28代スルタンによって1958年に建設された王立モスクです。ブルネイの豊かさを象徴する建物として知られており、ドームには純金が使用され、イタリア産の大理石やイギリス製のシャンデリアなど、世界各地の最高級の素材が使われています。モスクの周囲には人工湖が造られており、湖上には16世紀の王室遊覧船を模した石船が浮かんでいます。夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出します。イスラム教の信仰を象徴する重要な建造物であり、ブルネイを訪れる観光客にとって主要なランドマークの一つです。

カンポン・アイール

ブルネイ川の水上に広がる、世界最大級の水上集落です。約600年の歴史を持つこの集落には、現在も約3万人もの人々が暮らしており、「東洋のベニス」とも呼ばれています。水上には、住宅だけでなく、モスク、学校、警察署、診療所、市場なども存在し、陸上と変わらない生活インフラが整備されています。水道、電気、ガスなども完備されており、ブルネイの豊かな生活様式を垣間見ることができます。水上タクシーを利用して、集落内を巡るクルーズが人気で、ブルネイの伝統的な暮らしに触れることができます。

ウア・テンブロン国立公園

ブルネイで最初に指定された国立公園であり、手つかずの熱帯雨林が広がっています。首都のある地域とは陸路で隔てられた飛び地に位置するため、アクセスにはボートを利用します。公園内では、整備された遊歩道や、熱帯雨林の樹冠と同じ高さに設置されたキャノピーウォークを通じて、多様な動植物を観察することができます。キャノピーウォークの頂上からは、広大なジャングルを一望できる壮大な景色が広がります。熱帯雨林の自然を体験できる場所として、エコツーリズムの拠点となっています。

文化

ブルネイの文化は、マレー文化とイスラム教の影響を強く受けています。イスラム教は国教であり、国民の約80%がイスラム教徒です(2024年時点)。イスラム教の教えが日常生活や法律に深く浸透しており、礼拝や祝祭が社会生活の中心にあります。また、ブルネイの工芸品、特に金銀細工や伝統的な織物(Tenunan)は、その繊細な技術で知られています。音楽や舞踊もマレー文化の影響を色濃く受けており、伝統的な儀式や祝祭で披露されます。


スポーツ

ブルネイのスポーツは、主にサッカーとバドミントンが人気です。サッカーは国内リーグが開催されており、国民的なスポーツとして親しまれています。バドミントンも広く楽しまれており、多くの愛好者がいます。政府は国民の健康増進のため、スポーツへの参加を奨励しており、公園やスポーツ施設が整備されています。また、ブルネイはオリンピックやアジア競技大会にも選手を派遣し、国際的なスポーツイベントに参加しています。


日本との関係

日本とブルネイは、外交関係を1984年に樹立して以来、良好な関係を維持しています。経済面では、ブルネイにとって日本は主要な液化天然ガス(LNG)の輸出先であり、エネルギー供給において重要なパートナーです。また、日本企業はブルネイのインフラ開発にも貢献しています。文化面では、学生交流や文化イベントを通じて、相互理解を深める取り組みが行われています。日本の外務省によると、日本からの観光客も増加傾向にあり、両国間の交流が活発化しています。

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CIA World Factbook
世界銀行 (World Bank)
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