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18_80 ヨーロッパ世界の形成と変動 / 西ヨーロッパ世界の成立

聖職叙任権とは わかりやすい世界史用語1594

著者名: ピアソラ
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聖職叙任権とは

初期の教会において、聖職叙任は新約聖書にその起源を持ち、イエス・キリストが弟子たちを任命したことに始まります。イエスは、彼らに神の言葉を伝える権限を与え、教会の基盤を築く役割を果たしました。このように、聖職叙任は単なる儀式ではなく、神聖な使命を担う者としての認識を伴う重要な行為であり、初期の信者たちにとっては、教会の教えを広めるための不可欠な要素でした。
中世に入ると、聖職叙任権を巡る争いが激化しました。特に、教会と世俗権力の間で聖職者の任命権が争われ、叙任権闘争が勃発しました。この闘争は、教皇と神聖ローマ皇帝との間の権力闘争を反映しており、教会の権威を強化するための重要な歴史的な出来事となりました。教皇グレゴリウス7世は、教会の権威を確立するために、世俗権力からの独立を主張しました。
12世紀以降、聖職叙任は教会内部での重要な儀式として確立され、教皇の権威が強化されました。この時期、教会は聖職者の任命においてより大きな権限を持つようになり、教皇はその権威を通じて教会の統一性を保つ役割を果たしました。叙任の儀式は、教会の伝統と教義に基づく神聖な行為として位置づけられ、信者たちにとっても重要な意味を持つようになりました。



神学的意義

聖職叙任は、神の召命を確認する重要な儀式であり、教会の秩序と継続性を保証する手段とされています。この儀式は、神からの特別な呼びかけを受けた者が、教会の一員としての役割を果たすために必要な霊的権威を授かることを意味します。叙任を通じて、聖職者は神の意志を実現するための力を与えられ、教会の秘跡を執行する責任を担います。
聖職者は叙任を通じて、教会の秘跡を執行する権限を与えられます。この権限は、彼らが魂の世話をするための義務と権利の両方を含んでいます。叙任は聖職者に特別な権威を与えるものではなく、むしろ彼らが神の意志を実現するための手段として機能します。したがって、聖職者はその権限を用いて、教会の使命を果たすことが求められます。
聖職者は、個人の栄誉のためではなく、共同体のために奉仕することが求められます。彼らの役割は、教会の一員としての責任を果たし、信者たちの霊的な成長を助けることです。この奉仕は、聖職者自身の利益を超え、教会全体の利益に寄与することを目的としています。したがって、聖職者は常に共同体のニーズに応じて行動しなければなりません。
異なる教派間での叙任の理解と実践の違いは、エキュメニズムにおいて重要な役割を果たします。これらの違いは、教派間の対話と相互理解の機会を提供し、信者たちが共通の信仰を深める手助けとなります。エキュメニズムの進展は、教会の統一を促進し、異なる伝統を持つ信者たちが協力して神の使命を果たすための基盤を築くことに寄与します。
聖職叙任はカトリック教会の伝統と信仰の核心を成し、教会の秩序と継続性を支える重要な儀式です。聖職者は、神の意志を伝え、信者の霊的な世話をする役割を担っています。特に、聖職叙任は男性に限定されており、これはイエス・キリストが選んだ使徒たちが男性であったことに基づいています。この伝統は、教会の教義と実践において重要な位置を占めており、聖職者の権限行使は、信者の霊的な導きと教会の秩序を維持するための義務でもあります。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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