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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / ローマ帝国

キケロとは わかりやすい世界史用語1156

著者名: ピアソラ
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キケロとは

キケロは、古代ローマの政治家、哲学者、文筆家であり、共和政ローマの末期において重要な人物です。彼の生涯や主要な業績、そしてその影響について詳しく解説します。

キケロの生涯

キケロは紀元前106年1月3日に、現在のイタリアのアルピヌム(現ヴェノーザ)で誕生しました。彼の家族は裕福な騎士階級に属しており、キケロはローマで優れた教育を受けました。彼は修辞学や弁論術、哲学を学び、特にギリシャ哲学から強い影響を受けました。

紀元前81年に弁護士としてのキャリアをスタートし、すぐにその才能が認められました。彼の初めての大きな成功は、紀元前70年にシチリアの総督ガイウス・ウェッレスを告発した裁判での弁論でした。この裁判での勝利により、キケロはローマでの名声を確立しました。



政治家としてのキケロ

キケロは紀元前63年に執政官に選出されました。この時期、彼はカティリーナの陰謀を暴き、国家を救ったとされています。カティリーナはローマ政府を転覆させようとしましたが、キケロはこれを未然に防ぎ、陰謀に関与した者たちを処刑しました。この行動は一部から批判を受けましたが、彼の政治的手腕を示すものでした。

その後、キケロはポンペイウスやカエサルとの関係を維持しつつ、共和政の存続を試みました。しかし、カエサルの台頭により、彼の政治的立場は次第に厳しくなりました。カエサルの暗殺後、キケロは再び政治の舞台に立ち、マルクス・アントニウスに対するフィリッピカ(演説)を行いましたが、これが原因で紀元前43年に暗殺されました。

哲学者としてのキケロ

キケロはギリシャ哲学をラテン語で紹介し、その普及に大きく貢献しました。彼の哲学的著作には、『国家について』、『法律について』、『義務について』などがあります。これらの著作は、政治哲学、倫理学、法学に関する重要な議論を含んでおり、後の思想家たちに大きな影響を与えました。

文筆家としてのキケロ

キケロはまた、優れた文筆家としても知られています。彼の書簡集は、古代ローマの政治、社会、文化についての貴重な情報源となっています。特に、友人や家族に宛てた手紙は、彼の個人的な思考や感情を知ることができる重要な資料です。

キケロの影響

キケロの影響は古代ローマにとどまらず、中世ヨーロッパやルネサンス期にも及びました。彼の著作はラテン語教育の基礎として広く用いられ、ルネサンス期の人文主義者たちに大きな影響を与えました。また、彼の政治哲学や倫理学の議論は、モンテスキューやカントなどの近代思想家にも影響を与えました。

キケロは、古代ローマにおける政治家、弁護士、哲学者、文筆家として多岐にわたる業績を残しました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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