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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / ローマ帝国

平民派とは わかりやすい世界史用語1084

著者名: ピアソラ
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平民派とは

ローマの平民派(ポプラレス)は、共和政ローマ後期における政治派閥であり、主に平民や貧困層の利益を代表していました。彼らは、貴族や富裕層から構成される閥族派(オプティマテス)と対立し、社会改革や土地改革を推進しました。平民派の構成員も貴族でした。

平民派の起源と歴史

平民派はローマ共和制末期に起源を持ちます。この時期、ローマは急激な領土拡大を経験し、社会や経済に大きな変動が生じていました。それに伴い、平民や貧しい層の生活が困難になり、彼らの利益を代表する政治家が現れました。平民派を代表する著名な人物には、ティベリウス・グラックスやその弟ガイウス・グラックスがいます。

ティベリウス・グラックスは、紀元前133年に土地改革を提案し、大規模な土地所有の制限と無産市民への土地の再分配を目指しました。彼の改革は元老院の反発を招き、最終的には暗殺されましたが、弟のガイウスはその後も改革を続けました。ガイウスは、穀物の価格を低く抑える法律や植民地の設立を推進し、平民の生活の向上を図りました。



平民派の社会的地位と役割

平民派はローマ社会の下層を代表し、元老院や貴族に対抗するために民会(コメティア・トリブタ)を活用しました。彼らは民会を通じて法律を制定し、平民の利益を守る政策を推進しました。平民派の政治家たちは、しばしばトリブヌス・プレブス(平民護民官)として選出され、平民の権利を擁護しました。

平民派の政策は、土地改革や穀物価格の統制、植民地の設立、市民権の拡大など多岐にわたりました。彼らは平民の生活改善と社会的不平等の是正を目指し、軍事的成功や人気を背景に平民からの支持を得ることが多かったのです。

平民派の影響力とその変遷

平民派の影響力は、共和政ローマの終焉とともに変化しました。紀元前1世紀、ガイウス・ユリウス・カエサルが平民派の代表として台頭し、ローマ政治に大きな変革をもたらしました。カエサルは土地改革と市民権の拡大を推進し、平民からの支持を得ました。彼の暗殺後、元老院は一時的に権力を取り戻しましたが、最終的にはアウグストゥスによる帝政の確立により平民派の影響力は大きく減少しました。

帝政ローマ時代には、元老院の権威は形式的なものとなり、実質的な権力は皇帝に集中しました。しかし、平民派の家系は引き続き社会的地位を保ち、一部は帝政ローマの高位官職を占め続けました。

平民派の衰退とその後

平民派の衰退は、ローマ帝国の衰退とともに進行しました。帝国の分裂や外敵の侵入によって、平民派の社会的地位や役割は次第に低下していきました。しかし、彼らの影響力は完全には消えず、中世ヨーロッパにおける市民階級の形成に影響を与えました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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