新規登録 ログイン

5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「アルジェリア民主人民共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
Text_level_1
マイリストに追加
アルジェリア民主人民共和国

アルジェリア民主人民共和国(以下「アルジェリア」、英語ではPeople's Democratic Republic of Algeria)は、北アフリカのマグリブ地域に位置する共和制国家です、

このテキストでは、アルジェリアの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。


1.国土

ALT

アルジェリアの領土は、約238万平方キロメートルを誇り、アフリカ大陸で最も広大な国です。北は地中海に面し、東はチュニジアとリビア、南東はニジェール、南西はマリとモーリタニア、西はモロッコとサハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)と国境を接しています。国土の大部分はサハラ砂漠が占めていますが、北部には地中海性気候の肥沃な平野やアトラス山脈が広がり、多様な地形が特徴です。首都はアルジェです。


2.人口と人種

アルジェリアの人口は約4,680万人(2024年時点)で、主にアラブ人(約80%)とベルベル人(約20%)で構成されています。ベルベル人は古くから来たアフリカの広域に住んでいた先住民族であり、特にカビリー地方やオーレス山脈などに多く居住しています。また、都市部にはフランス植民地時代の影響から、フランス系のコミュニティも存在します。


3.言語

公用語はアラビア語であり、ベルベル語も国語として認められています。さらに、フランス語は教育やビジネスの分野で広く使用されており、多言語社会が形成されています。


4.主な産業

アルジェリア経済は、石油と天然ガスの輸出に大きく依存しています。エネルギーセクターは国内総生産(GDP)の約30%、輸出収入の95%を占めています。主要な油田はサハラ砂漠のハッシ・メサウドやハッシ・ルメルに位置しています。近年では、農業や観光業の振興にも力を入れ、多角化を図っています。


5.主な観光地

アルジェリアには多くの歴史的・文化的観光地があります。首都アルジェは、オスマン帝国時代の建築物が残るカスバ(旧市街)が有名で、ユネスコの世界遺産に登録されています。また、ティパサやジェミラなどのローマ遺跡、サハラ砂漠のタッシリ・ナジェールの岩絵群など、多彩な観光資源が存在します。


6.文化

歴史的背景と文化の形成

アルジェリアの文化は、先史時代からの多様な文明の影響を受けています。紀元前12世紀のフェニキア人の到来に始まり、ローマ帝国、ヴァンダル人、東ローマ帝国、アラブ人、オスマン帝国、そしてフランス植民地時代を経て、各時代の文化が融合し、現在のアルジェリア文化が形成されました。


建築と都市景観

首都アルジェのカスバ(旧市街)は、1992年にユネスコの世界遺産に登録されました。この地域は、オスマン帝国時代の建築様式を色濃く残しており、狭い路地や伝統的な家屋が迷路のように入り組んでいます。また、アルジェリアには7つのユネスコ世界遺産があり、ローマ時代の遺跡やイスラム王朝の要塞都市など、多彩な歴史的建造物が点在しています。


音楽と舞踊

アルジェリアの音楽は、多様な民族と歴史的背景を反映しています。特に有名なのが「ライ」と呼ばれる音楽ジャンルで、これは20世紀初頭にアルジェリア西部の都市オランで誕生しました。ライは、伝統的なベルベル音楽やアラブ音楽に、フランスやスペインの音楽要素が融合したもので、シェブ・ハレドやシェブ・マミといったアーティストが国際的に活躍しています。

また、ベルベル人の伝統音楽や、サハラ砂漠の遊牧民であるトゥアレグ族の音楽も独自のリズムとメロディを持ち、アルジェリアの音楽シーンに多様性を与えています。


工芸と伝統技術

アルジェリアの工芸品は、その地域ごとの特色を反映しています。カビリー地方では、鮮やかな色彩と幾何学模様が特徴の陶器や織物が生産されています。また、ムザブの谷では、銀細工や宝飾品が伝統的に作られており、その精巧なデザインは高く評価されています。

さらに、サハラ砂漠のオアシス都市では、革製品や金属細工、手織りのカーペットなど、多彩な工芸品が生産されており、これらは観光客にも人気があります。


祭りと伝統行事

アルジェリアでは、イスラム教の祝祭日が広く祝われています。特に、ラマダン明けの「イド・アル=フィトル」や、犠牲祭と呼ばれる「イド・アル=アドハー」は、家族や友人と共に祝う重要な行事です。

また、ベルベル人の新年である「ヤンナイヤー」は、毎年1月12日に祝われ、伝統的な音楽や舞踊、特別な料理が振る舞われます。この祭りは、ベルベル文化の継承とアイデンティティの象徴として重要な役割を果たしています。


食文化

アルジェリアの食文化は、地中海、中東、アフリカの影響を受け、多彩な料理が特徴です。主食としては、小麦を粗挽きにした「クスクス」が広く食べられており、肉や野菜と共に調理されます。また、「タジン」と呼ばれる煮込み料理や、スパイスを効かせた「ハリラ」と呼ばれるスープも人気です。

デザートには、蜂蜜やナッツを使った「バクラヴァ」や、デーツを詰めた焼き菓子などがあり、甘党の人々に愛されています。


宗教と社会

アルジェリアの人口の約99%はイスラム教スンニ派を信仰しており、宗教は日常生活や文化に深く根付いています。モスクでの礼拝や、ラマダン期間中の断食など、宗教的な習慣が社会の中で重要な位置を占めています。

一方で、ベルベル人を中心に、イスラム教以前の伝統や習慣も一部で継承されており、地域ごとの文化的多様性が見られます。

このように、アルジェリアの文化は、多様な歴史的背景と民族の融合によって形成された豊かなものです。その多彩な伝統や習慣は、現在も人々の日常生活や社会の中で息づいており、アルジェリアの独自性を象徴しています。


7.スポーツ

サッカーはアルジェリアで最も人気のあるスポーツであり、国内リーグや代表チームの試合は多くのファンに支持されています。アルジェリア代表チームは、ワールドカップでの躍進やアフリカネイションズカップでの優勝経験もあり、国際舞台で活躍しています。


8.日本との関係

日本とアルジェリアは、1962年のアルジェリア独立以来、友好関係を築いてきました。

安全保障

2013年1月、アルジェリア南東部のイナメナスで発生した人質事件では、日本人を含む多くの犠牲者が出ました。この事件を契機に、両国間での安全保障に関する対話と協力の重要性が再認識されました。以降、テロ対策や情報共有など、安全保障分野での連携が強化されています。


経済協力

経済面では、エネルギー分野を中心に協力が進められています。アルジェリアは豊富な石油・天然ガス資源を有しており、日本企業はこれらの資源開発やインフラ整備に参画しています。また、アルジェリアの経済多角化を支援するため、日本は技術協力や人材育成にも力を入れています。例えば、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、現地の教育や医療環境の改善に貢献しています。
Related_title
もっと見る 

Keyword_title

Reference_title
国際連合 (UN) 公式サイト
世界銀行 (World Bank)
日本の外務省サイト
CIA World Factbook

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 1,052 pt 
 役に立った数 0 pt 
 う〜ん数 0 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。