バーレーン王国
バーレーン王国(以下「バーレーン」、英語ではKingdom of Bahrain)は、中東ペルシャ湾に位置する立憲君主制の島嶼国家です。首都はマナーマです。
このテキストでは、バーレーンの特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。
国土
バーレーン王国は、ペルシャ湾に位置する島嶼国家で、約50の島々から構成されています。最大の島であるバーレーン島が国土の約85%を占めており、サウジアラビアとはキング・ファハド・コーズウェイという長さ約25キロメートルの橋で結ばれています。国土面積は約786.5平方キロメートル(2023年時点)、これは東京23区とほぼ同じ大きさです。国土の大部分は平坦な砂漠地帯で、海抜は最も高い場所でも134メートルほどです。年間を通じて高温多湿な気候で、夏(4月から10月)は特に暑く、気温が40℃を超えることもあります。冬(11月から3月)は比較的過ごしやすく、気温は10℃から20℃程度です。
人口と人種
2024年の推計では、バーレーンの総人口は約150万人です。このうち、バーレーン国籍を持つ国民は約70万人で、残りの約80万人は外国人労働者です。人口構成は多様で、国民の大多数はアラブ系ですが、ペルシャ系や南アジア系のコミュニティも存在します。外国人労働者の出身地はインド、パキスタン、バングラデシュ、フィリピンなど多岐にわたります。こうした人口構成が、バーレーンの社会や文化の多様性を生み出している一因です。公用語はアラビア語ですが、外国人労働者が多く、ビジネスや日常生活では英語が広く使われています。
言語
バーレーン王国の公用語はアラビア語です。バーレーン方言と呼ばれる特有の訛りがありますが、標準アラビア語と大きな違いはありません。英語も公用語ではありませんが、ビジネスや教育、観光分野で広く使われており、事実上の共通言語となっています。これは、長年の英国の保護領時代の影響や、多様な国籍を持つ外国人労働者が多く居住しているためです。このため、街中の看板やメニュー、公的な文書の多くはアラビア語と英語の両方で表記されています。
主な産業
バーレーンの経済は、かつて石油・天然ガスに依存していましたが、近年は経済の多様化を積極的に進めています。現在の主な産業は、金融サービス、製造業、観光業、情報通信技術(ICT)です。特に金融サービスは、中東地域の金融ハブとしての地位を確立しており、イスラム金融の中心地としても知られています。
製造業では、アルミニウム精錬が重要な位置を占めており、世界有数のアルミニウム生産国の一つです。また、観光業も重要な成長分野で、中東内外から多くの観光客を誘致しています。
主な観光地
バーレーンには、歴史的な遺跡から現代的な建築物まで、様々な観光地があります。主な観光地は以下の通りです。
■バーレーン・フォート(Qal'at al-Bahrain)
ユネスコ世界遺産に登録されているこの遺跡は、古代から近代にかけての居住跡が積み重なったテル(遺丘)で、ディルムン文明の遺跡群の中心です。紀元前2300年頃から16世紀まで様々な文化が栄えた歴史を物語っています。
■バーレーン国立博物館(Bahrain National Museum)
5000年以上にわたるバーレーンの歴史や文化、自然について展示しています。ディルムン文明の遺物やイスラム時代の写本などが収蔵されています。
■キング・ファハド・コーズウェイ(King Fahd Causeway)
バーレーンとサウジアラビアを結ぶ全長約25キロメートルの海上道路です。その景観の美しさから、ドライブスポットとしても人気があります。
■アル・ファティハ・モスク(Al Fateh Grand Mosque)
バーレーン最大のモスクで、壮麗なドームと2本のミナレットが特徴です。外国人向けのガイドツアーも実施されており、イスラム文化について学ぶことができます。
文化
バーレーンの文化は、イスラム教の伝統と、交易の中心地として栄えた歴史から生まれた多様な要素が融合しています。イスラム教は国の主要な宗教であり、人々の生活様式や習慣に深く根ざしています。女性は比較的自由な服装をしていますが、公共の場では保守的な服装が好まれます。音楽や芸術も盛んで、伝統的なハリージ音楽は、ペルシャ湾岸地域で親しまれています。伝統的な手工芸品としては、織物や陶器、金銀細工などがあり、スーク(市場)などで購入できます。
スポーツ
バーレーンでは、様々なスポーツが人気ですが、特にサッカーとモータースポーツが盛んです。サッカーは、バーレーン・プレミアリーグという国内リーグがあり、多くの国民が熱心に応援しています。
モータースポーツでは、首都マナーマ郊外にあるバーレーン・インターナショナル・サーキットが有名です。ここでは、毎年3月頃にF1バーレーンGPが開催され、世界中からファンが集まります。このイベントは、バーレーンの国際的な知名度を高める上で重要な役割を果たしています。
日本との関係
日本とバーレーン王国の関係は、良好な関係を築いています。1972年の国交樹立以来、両国は様々な分野で交流を深めてきました。経済面では、バーレーンから日本へは主にアルミニウム製品や石油製品が、日本からバーレーンへは自動車や機械類が輸出されています。政治面では、両国間で首脳や閣僚レベルの交流が定期的に行われており、様々な国際問題について意見交換が行われています。文化面でも、柔道や空手といった日本の武道がバーレーンで人気を集めています。