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18_80 内陸アジア世界の形成 / 遊牧民とオアシス民の活動

ソグディアナとは わかりやすい世界史用語416

著者名: ピアソラ
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ソグディアナとは

ソグディアナは、古代のイラン系民族が居住していた地域で、現在のウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、カザフスタン、キルギスタンにまたがる地域です。この地域はアムダリヤ川とシルダリヤ川の間に位置し、古代には繁栄した文明の中心地でした。

ソグディアナは、アケメネス朝ペルシャ帝国の一部であり、ダリウス大王のベヒストゥン碑文にも記されています。最初はキュロス大王によって征服され、その後、紀元前328年にアレクサンドロス大王によって併合されました。その後もセレウコス朝、グレコ・バクトリア王国、クシャーナ帝国、サーサーン朝、エフタル帝国、西突厥可汗国、そしてイスラム教徒によるトランスオクシアナの征服など、様々な帝国の支配を受けました。



ソグディアナの都市国家は政治的に統一されることはありませんでしたが、サマルカンドを中心に展開していました。ソグディアナの言語であるソグド語は、現在では話されていませんが、その方言の一つであるヤグノビ語は、今日のタジキスタンでヤグノビ人によって話されています。ソグド語は中央アジアで広く使われる共通語であり、初期のトルコ可汗国の宮廷言語としても使用されていました。ソグド人は唐代の中国にも住んでおり、軍事や政府で重要な役割を果たしていました。ソグド商人や外交官はビザンチン帝国まで西に旅し、シルクロードの貿易ルートで中間業者として重要な役割を果たしました。

宗教的には、ゾロアスター教、マニ教、仏教、そして西アジアからのネストリウス派キリスト教を信仰していましたが、8世紀のイスラム教徒によるトランスオクシアナの征服により、徐々にイスラム教への改宗が始まりました。サーマーン朝の終わりにあたる999年までには、ソグド人のイスラム教への改宗はほぼ完了し、ソグド語はペルシャ語に大きく取って代わられました。
地理的には、ソグディアナはバクトリアの北、ハラズムの東、カンジュの南東に位置し、オクサス(アムダリヤ)とジャクサルテス(シルダリヤ)の間に広がっていました。ソグディアナの領域は、現代のウズベキスタンのサマルカンドとブハラ、タジキスタンのスグド地域に相当します。中世には、イシククル湖に向かって広がる都市も含まれており、スヤブの考古学的遺跡などがありました。

ソグディアナの名前の由来については、古代インド・ヨーロッパ語族の根である「*skeud-」から来ているとされています。これは「推進する、射る」という意味があり、英語の「shoot」にも関連しています。ギリシャの歴史家ヘロドトスによって提供された名前や、彼のタイトルの名前、さらには「スキタイ人」としての多くの他の言葉、例えばアッシリアのアシュクズやギリシャのスクテスなどが、この語根から派生しています。
このように、ソグディアナは古代中央アジアの重要な文明であり、その歴史と文化は現代にも影響を与え続けています。交易と文化の交流の中心地として、そして多様な帝国の支配を受けた地域として、ソグディアナは中央アジアの歴史において重要な役割を果たしてきました。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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