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5_80 世界の様々な地域 / 各国の名称と位置・大陸

「アゼルバイジャン共和国」について調べてみよう

著者名: 早稲男
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アゼルバイジャン共和国

アゼルバイジャン共和国(英語ではRepublic of Azerbaijan)は、ユーラシア大陸のコーカサス地方、カスピ海西岸にある単一の半大統領制共和国です。

このテキストでは、アゼルバイジャン共和国の特徴を「国土」、「人口と人種」、「言語」、「主な産業」、「主な観光地」、「文化」、「スポーツ」、「日本との関係」の8つのカテゴリに分けて詳しく見ていき、同国の魅力や国際的な影響力について考えていきます。

1.国土

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アゼルバイジャン共和国は南コーカサス地域に位置し(ヨーロッパと西アジアが接交わる地域に位置する)、国土面積は86,600平方キロメートルです。国の東側はカスピ海に面し、北はロシア、北西はジョージア、南はイラン、西はアルメニアとトルコに隣接しています。首都はバクーです。


2.人口と人種

2024年時点でのアゼルバイジャンの人口は約1,000万人で、その約91%がアゼルバイジャン人です。その他ロシア人、アルメニア人、タリシュ人、クルド人などが居住しています。国民のほとんどがイスラム教徒ですが、アゼルバイジャンでは信教の自由が保障されておりキリスト教徒やユダヤ教徒も共存しています​。


3.言語

アゼルバイジャンの公用語はアゼルバイジャン語です。また、日常的にロシア語や英語も使用されます。特に、首都バクーなどの都市部ではレズギ語やタート語を含めた多言語が使われています。


4.主な産業

アゼルバイジャンの経済は、石油と天然ガス産業を中心に成り立っています。バクー周辺での石油生産は20世紀初頭から始まり、今日でもエネルギー部門は国の主要な収入源です。また、近年は非石油部門の成長も図られ、農業、観光、輸送、IT産業などが発展しつつあります。アゼルバイジャンは重要なエネルギー供給国として、国際的なパイプラインプロジェクトにも関与しており、エネルギーの輸出は欧州との経済関係を強化しています​。


5.主な観光地

アゼルバイジャンの首都バクーの旧市街「イチェリ・シャハル」はユネスコの世界遺産に登録されています。また、バクーの南西にあるゴブスタン国立歴史芸術保護区は60万点を超える古代の岩絵が多く残っており、アゼルバイジャンで一番人気のある国立保護区となっています。コーカサス山脈ではトレッキングやスキーなどのアウトドア活動が楽しめ、カスピ海沿岸ではビーチリゾートが発展しています。


6.文化

音楽

ムガムという民族音楽は即興演奏に基づく古典的な音楽で、詩的で感情豊かな旋律が特徴です。ムガムはユネスコの無形文化遺産に登録されており、アゼルバイジャンの音楽文化を象徴しています。また、伝統的な楽器として「タール」や「カマンチャ」が使われ、これらの楽器がムガーム演奏に重要な役割を果たしています。

文学

アゼルバイジャンの文学は、イスラム文化とペルシャ文学の影響を強く受けています。14世紀の詩人ナシミや16世紀の詩人フィズリは、アゼルバイジャンの文学界において重要な人物です。彼らは、宗教的、哲学的なテーマを詩に取り入れ、特にスーフィズム(イスラム神秘主義)の影響が強く見られます。

20世紀に入ると、サバヒ・アリベヨフやアナス・ムスタファザデなどの作家が登場し、ソビエト時代の抑圧や社会問題をテーマにした作品を発表しました。文学は常に社会的なメッセージを伝える手段として重要視されてきました​

宗教

アゼルバイジャンはイスラム教シーア派が多数を占める国ですが、宗教的な寛容性も高く、スンニ派イスラム教徒やキリスト教徒、ユダヤ教徒なども共存しています。このため、宗教的な多様性が見られ、互いに尊重し合う文化が根付いています。

特に重要な祝祭日は「ノウルーズ(Novruz)」です。ノウルーズはペルシャ暦の新年にあたる祝日で、春の到来を祝う儀式です。家族や友人が集まり、特別な料理が振る舞われるほか、火の周りで跳ねるなどの伝統的な儀式も行われます。この祭りは自然の再生や新たな始まりを象徴しており、アゼルバイジャン全土で盛大に祝われます​

伝統工芸

アゼルバイジャンの伝統工芸には、カーペット織りや刺繍、陶器、銅細工などが含まれます。特にカーペット織りは古代からの技術を受け継ぎ、アゼルバイジャンの象徴的な工芸の一つです。伝統的なカーペットは複雑な幾何学模様や自然のモチーフが織り込まれ、地域ごとに異なるデザインが特徴です。カーペットの技術はユネスコの無形文化遺産にも登録されています。


7.スポーツ

アゼルバイジャンでは、レスリングやボクシング、柔道などの格闘技が人気のスポーツです。オリンピックでもメダルを獲しており、特にレスリングやボクシングで国際的な成功を収めています。サッカーもまた広く行われており、バクーには国内最高峰のサッカーチームが存在します。2020年にはUEFA欧州選手権の一部試合がバクーで開催され、アゼルバイジャンのスポーツに対する熱意が示されました。


8.日本との関係

経済協力

アゼルバイジャンは豊富な石油・天然ガス資源を有する国です。そのため日本企業は、アゼルバイジャンの石油産業において技術的な支援や設備投資を行っており、両国の経済関係はエネルギーを基盤に拡大しています。

また、2005年には日本政府がアゼルバイジャン政府に対して総額300億円の円借款を提供し、バクー市内のインフラ整備や輸送システムの改善に寄与しました。さらに、日本はアゼルバイジャンの多角的な経済発展を支援するために、農業や水資源管理といった分野での技術協力も進めています。

技術協力とODA

日本のODA(政府開発援助)は、アゼルバイジャンにおける技術協力やインフラ整備において重要な役割を果たしています。例えば、道路、橋、上下水道の整備や農業の近代化に関するプロジェクトが日本の支援によって進められています。また、技術者や専門家の派遣を通じて、アゼルバイジャンの地方自治体や政府機関が必要とする技術的支援が提供されています。
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国際連合 (UN) 公式サイト
世界銀行 (World Bank)
CIA World Factbook
日本の外務省サイト

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