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18_80 西アジア・地中海世界の形成 / 古代オリエント世界

フェニキア文字とは 世界史用語181

著者名: ピアソラ
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フェニキア文字とは

フェニキア文字は、紀元前1050年から紀元前150年にかけて使用されたアブジャド(子音文字)で、地中海文明のフェニキアで広く使われました。この文字は、エジプトの象形文字から発展したプロト・シナイ文字に由来し、その後、パレオ・ヘブライ文字やアラム文字、ギリシャ文字など、多くの文字体系に影響を与えました。

フェニキア文字は、22の子音のみを表す文字体系で、母音を表記しないという特徴があります。これは、セム語族の言語の音響的特性に適応した結果と考えられています。また、フェニキア文字は右から左へと横書きされるのが一般的でした。

フェニキアの商人たちは、地中海地域を通じてこの文字体系を広め、ギリシャ文字の祖先となり、それによって西洋のアルファベットが生まれました。最も古いフェニキア文字の碑文は、紀元前11世紀のビブロスにあるアヒラムの墓碑銘で、北セム文字から発展したことが示されています。

フェニキア文字は、その後、キプロス・フェニキア文字やサルディニア・フェニキア文字など、様々な地域で変化を遂げながら使用され続けました。また、カルタゴでは、フェニキア文字がプニック文字や新プニック文字へと進化し、紀元3世紀頃まで使用されていたことが知られています。

フェニキア文字の歴史は、文字体系の発展だけでなく、文化や貿易の交流の歴史でもあります。フェニキア人たちは、文字を通じて情報を記録し、伝える技術を広めることで、古代地中海世界のコミュニケーションと文化の発展に大きく貢献しました。

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『世界史B 用語集』 山川出版社

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