まへわたり/前渡り
名詞
■意味1
前を通っていくこと。
[出典]:車争ひ 源氏物語
「物も見で帰らむとしたまへど、通り出でむ隙もなきに、『事なりぬ。』と言へば、さすがにつらき人の御前渡りの待たるるも心弱しや。」
[訳]:御息所は)見物を見ないで帰ろうとなさいますが、通り出るような隙間もないでいるうちに、「行列がきた。」と(皆が)言うので、(帰ろうとは思ったものの)そうはいってもやはり薄情である人のお通りを自然に待たれるのは意志の弱いことですよ。
■意味2
上位の人を差し置いて昇進すること。