め/馬手
このテキストでは、古文単語「
め/馬手」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
名詞
■意味1
馬上で手綱を引くときに使う手、右手。
[出典]:
能登殿最期 平家物語
「続いて寄る安芸太郎を、弓手の脇に取つてはさみ、弟の次郎をば
馬手の脇にかいばさみ、ひと締め締めて、『いざ、うれ、さらばおのれら、死出の山の供せよ。』とて、生年二十六にて、海へつつとぞ入りたまふ。 」
[訳]:続いて近寄ってくる安芸太郎を、
左手の脇に挟み、弟の次郎を
右腕の脇に挟んで、一回締め上げて、「さあ、お前ら、それではお前らが、死出の山を超える旅の供をしろ。」と言って、享年二十六歳で、海の中へさっとお入りになられた。
■意味2
右側。
備考
馬手の反対語に「
弓手」がある。「矢を引くとき弓を持つ方の手」の意から「左手」転じて「左側」を意味する。