はじめに
古代ギリシアのアテネでは、世界初の
民主制度が確立します。一方、そののちにイタリア半島でおこったローマは、
共和制のもと国が統治されていました。
この2つは、同じような時期に成立した都市国家ですが、一方は一定の地域のみの国家で、他方は地中海全域を含む広大な帝国にまでなりました。
このギリシアの民主制とローマの共和制の違いは意外とわかりにくいと思います。
それぞれと特徴を見ていきましょう。
ギリシアの民主制
ギリシア民主制の特徴はアテネを見ればわかるように、
市民権の付与を常に限定していたということです。
何故アテネは市民権を限定したのか。それは、アテネが陶片追放や将軍職を除く公職をくじで決める様になったことから、民会を国の政治を決める最高機関とする
直接民主制を確立したからです。
ここで何が重要だったかというと、
直接民主制という制度を維持するために、領土の拡張やそれに伴う市民権の付与の拡大が出来なかったということです。
もちろん、これには奴隷制によって安定的な富の創出が行われていたため、市民権の付与の限定が可能だったとも考えられます。