タタールのくびき
タタールのくびきというのは、ロシアの前身である
キエフ公国という国が、モンゴルの厳しい支配下に置かれたことを指す表現です。
キエフ公国は元々、
リューリクという部族の一部が、
ノヴゴロド地方から移住して建国した国です。
この国は、バルト海や黒海を含む重要な交易ルートを支配して大いに繁栄したのですが、13世紀に入り、モンゴル帝国の
バトゥの遠征軍によって、制圧されてしまいます。
モンゴル帝国の支配は広大なユーラシア大陸全般に及び、キエフ公国もその中の領土の一つでした。
モスクワ大公国
1328年になると、長い間
キプチャク=ハン国内での功績を認められたことで
モスクワ大公国という国が独立します。
そのころ、ロシア周辺ではこのような大公国が幾つかありましたが、
イヴァン3世(在位1462〜1505)という大公が即位するとモスクワ大公国は一気に強国となります。
(イヴァン3世)
彼は周辺諸国を次々に併合し、統一を果たし、1480年にはモンゴルから完全に自立するまでになりました。
ビザンツ帝国の最後の皇帝の親族と結婚し、
ツァーリ(皇帝)の称号とビザンツ帝国の国章であった双頭の鷲を継承します。
イヴァン3世は、自らツァーリと名乗るようになるのですが、これは皇帝の称号の一つであった「カエサル」という名称をロシア語で表現したものです。
また、彼は自国の繁栄をたたえ、モスクワをローマ、コンスタンティノープルにつぐ「
第3のローマ」と表現しました。