あやしむ/怪しむ
このテキストでは、古文単語「
あやしむ/怪しむ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「あやしむ/怪しむ」には、
①マ行四段活用
②マ行下二段活用
の用法がある。
①マ行四段活用
未然形 | あやしま |
連用形 | あやしみ |
終止形 | あやしむ |
連体形 | あやしむ |
已然形 | あやしめ |
命令形 | あやしめ |
■意味:他動詞
不思議に思う、不審に思う。
[出典]:
これも仁和寺の法師 徒然草
「響きて堪へがたかりければ、かなはで、すべきやうなくて、三つ足なる角の上に帷子をうちかけて、手を引き杖をつかせて、京なる医師のがり、率て行きける道すがら、人の
あやしみ見ること限りなし。」
[訳]:(足鼎をたたいたときの音が頭に)響いて我慢できなかったので、(打ち割ることが)できず、手の施しようがないので、(足鼎の)3つの足の上に帷子をかけて、手を引き杖をつかせて、都の医者のもとへ、連れて行った道中ずっと、人が
不思議に思って見ることこの上ない。
②マ行下二段活用
未然形 | あやしめ |
連用形 | あやしめ |
終止形 | あやしむ |
連体形 | あやしむる |
已然形 | あやしむれ |
命令形 | あやしめよ |
■意味:他動詞
不思議に思う、不審に思う。
[出典]:尿前の関 奥の細道
「この路旅人稀なる所なれば、関守に怪しめられて、やうやうとして関を越す。」
[訳]:この道は旅人がまれにしか通らない所なので、関所の番人に不審に思われて、ようやくにして関を越える。
備考
バ行四段活用「
あやしぶ」も同じ意味を持つ。