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史記『風蕭蕭兮易水寒・壮士一去兮不復還』(遂発。太子及賓客知其事者〜)書き下し文・現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
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現代語訳(口語訳)

こうして(荊軻は)出発しました。
太子と賓客、その事情を知る者は、皆白い喪服と冠を身につけて見送りました。
(一行が)易水のほとりにやってきました。
そこで道祖神を祭って(道中の安全を祈り)旅立ちました。
(筑という楽器の名人である)高漸離が筑を奏で、荊軻はそれにあわせて歌いましたが、その響きは悲壮なものとなりました。
男たちは皆涙を流して泣きました。
(荊軻は)前に進み出て歌を作って言いました。
「風がもの寂しく吹き、易水は寒い(冷たい)。
勇ましい男は一度去ると、もう帰ってはこないだろう。」と。


さらに激昂した声で歌ったので、(荊軻の)心は高ぶりました。
男たちは皆目をいからせ、髪の毛はことごとく逆立ち冠を突き上げていました。
そして荊軻は車に乗って去って行きました。
そして最後まで振り返ることはありませんでした。

単語解説

既祖取道「祖」とは「道祖神」のこと
既祖取道「取道」は「旅路につく、旅立つ」と訳す
高漸離荊軻の友人で筑(琴のような楽器)の名人
髪尽上指冠直訳すると「逆立った髪が冠を突き上げる」となるが、実際にそうなっているわけではなく、あくまでも、それぐらい心が高ぶっていると読み取る





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