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老子『無用の用・無用之用』現代語訳・書き下し文と解説 |
著作名:
走るメロス
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老子『無用之用』原文・現代語訳と解説
このテキストでは、中国の思想家老子が著したとされる「老子(老子道徳経) 」の一節『無用の用・無用之用』の原文(白文)、書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を記しています。
原文(白文)
三十輻共一轂。
当其無、有車之用。
埏埴以為器。
当其無、有器之用。
鑿戸牖以為室。
当其無、有室之用。
故有之以為利、無之以為用。
書き下し文
三十の輻(ふく)は一轂(いっこく)を共にす。
其の無に当たりて、車の用あり。
埴(しょく)を埏(せん)して以て器を為(つく)る。
其の無に当たりて、器の用あり。
戸牖(こいう)を鑿(うがち)て以て室を為る。
其の無に当たりて、室の用有り。
故に有の以て利を為すは、無の以て用を為せばなり。
現代語訳(口語訳)
30本の輻は1つのこしきに集まって(車輪を形成して)います。
そこに何もない空間があるから、車輪としての役割を果たすのです。
粘土をこねて器を作ります。
そこ(器の中)に何もない空間があるから、器としての役割を果たすのです。
戸や窓を貫いて部屋を作ります。
そこ(部屋の中)に何もない空間があるから、部屋としての役割を果たすのです。
つまり形ある物が価値があるのは、形ない物がその役割を果たしているからです。
単語解説
輻 | 車輪の中心部から輪に向かって放射状に出ている棒 |
轂 | 車輪の中央の太い部分 |
埴 | 粘土 |
埏 | こねる、やわらかくする |
鑿 | 突き通す、貫く |
戸牖 | 戸や窓 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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