manapedia
更新日時:
『鴻門之会』(沛公已去、間至軍中〜)わかりやすい現代語訳・書き下し文と解説
著作名: 走るメロス
293,845 views
史記『鴻門之会』

このテキストでは、史記の一節『鴻門之会』の「沛公已去、間至軍中〜から始まる部分の原文(白文)、書き下し文、現代語訳とその解説を記しています。



前回のテキスト

『鴻門之会・沛公虎口を脱す』(沛公已出〜)現代語訳



白文(原文)

沛公已去、間至軍中。
張良入謝曰、

「沛公不勝桮杓不能辞
謹使臣良奉白璧一双、再拝献大王足下、玉斗一双、再拝奉大将軍足下。」


項王曰、

「沛公安在。」


良曰、

「聞大王有意督過之、脱身独去。
已至軍矣。」


項王則受璧、置之坐上。
亜父受玉斗、置之地、抜剣、撞而破之曰、

「唉、豎子不足与謀。
奪項王天下者、必沛公也。
吾属今為之虜矣。」


沛公至軍、立誅殺曹無傷。

つづく:史記『項王暴挙・楚人沐猴而冠耳』(居数日、項羽引兵西〜)書き下し文・現代語訳と解説


書き下し文

沛公已に去り、間くにして軍中に至る。
張良入りて謝して曰はく、


「沛公桮杓に勝へず、辞すること能はず。
謹みて臣良をして白璧一双を奉じ、再拝して大王の足下に献じ、玉斗一双をば、再拝して大将軍の足下に奉ぜしむ。」と。


項王曰はく、

「沛公安くにか在る。」と。


良曰はく、

「大王之を督過するに意有りと聞き、身を脱して独り去れり。
已に軍に至らん。」と。


項王則ち璧を受け、之を坐上に置く。
亜父玉斗を受け、之を地に置き、剣を抜き、撞きて之を破りて曰はく、



「唉、豎子与に謀るに足らず。
項王の天下を奪ふ者は、必ず沛公ならん。
吾が属今に之が虜と為らん。」と。


沛公軍に至り、立ちどころに曹無傷を誅殺す。

つづく:史記『項王暴挙・楚人沐猴而冠耳』(居数日、項羽引兵西〜)書き下し文・現代語訳と解説

次ページ:現代語訳と解説




1ページ
前ページ
1/2
次ページ


このテキストを評価してください。
役に立った
う~ん・・・
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。