『冬夜読書』
ここでは菅茶山が詠んだ『冬夜読書』の書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を行っています。
[白文(原文)
左から右に読んでください
雪 擁 山 堂 樹 影 深
憺 鈴 不 動 夜 沈 沈
閑 収 乱 帙 思 疑 義
一 穂 青 灯 万 古 心
書き下し文
雪は山堂を擁して 樹影深く
檐鈴(えんれい) 動かず 夜沈沈
閑かに
乱帙(らんちつ)を収めて疑義を思ふ
一穂の青灯 万古の心
現代語訳(口語訳)
雪が山の草案を包み込み、木々の影は深い
軒に吊るした鈴は動かずに、夜は深々と更けていく
乱雑に散らばっている書物を静かに片付けながら、(書物の中の)疑問に思う部分について考えてみる
ひとすじの青い光の中に、遠い昔の人の心が見えてくる
形式
この漢詩は七つに並んだ漢字が四つの行からなる、七言絶句というスタイルをとっています。「深(シン)」、「沈(チン)」、「心(シン)」が韻を踏んでいます。(押韻という)
単語解説
檐鈴 | 軒に吊るした鈴 |
乱帙 | 乱雑に散らばっている書物 |
一穂 | ひとすじの |