十訓抄『大江山』
このテキストでは、十訓抄『
大江山』でテストに出題されそうな問題をピックアップしています。 書籍によっては『
小式部内侍が大江山の歌の事』と題されているものもあるようです。 古今著聞集にも収録されていますが、若干原文が異なります。
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十訓抄は鎌倉中期の説話集です。編者は未詳です。
次の文章を読み、問いに答えよ
和泉式部、保昌が妻にて、丹後に下りけるほどに、京に歌合ありけるに、小式部内侍、歌詠みにとられて、歌を詠みけるに、
定頼中納言たはぶれて、
小式部内侍、ありけるに、
「丹後へ遣はしける人は参りたりや。いかに心もとなくおぼすらむ。」
と言ひて、局の前を過ぎられけるを、御簾より半らばかり出でて、わづかに直衣の袖を控へて
大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天の橋立
と詠みかけけり。
思はずにあさましくて、
「こはいかに、かかるやうやはある。」
とばかり言ひて、返歌にも及ばず、袖を引き放ちて逃げられけり。小式部、これより、歌詠みの世におぼえ出で来にけり。
これはうちまかせて理運のことなれども、かの卿の心には、これほどの歌、ただいま詠み出だすべしとは、知らざりけるにや。
問題
■Q1:「和泉式部」、「歌合」、「内侍」、「局」、「御簾」、「直衣」を現代仮名遣いで記しなさい。
■Q2:「定頼中納言たはぶれて」とあるが、定頼中納言はどのようなたはぶれをしたのか。
■Q3:「小式部内侍、局にありけるに」、の「あり」の品詞とその活用の種類を答えなさい。
■Q4:「心もとなし」を現代語訳しなさい。
■Q5:小式部内侍が詠んだ歌には2つの掛詞が使われている。抜き出して、それぞれについて解説しなさい。
■Q6:「思はずにあさましくて」の「あさまし」を現代語訳しなさい。
■Q7:「かかるやうやはある」を現代語訳しなさい。
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