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枕草子 原文全集「時奏する/日のうらうらとある昼つ方」

著者名: 古典愛好家
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時奏する

時奏する、いみじうをかし。いみじう寒き夜中ばかりなど、こほこほほとこほめき沓(くつ)すり来(き)て、弦うちならして、

「なんなのなにがし、時丑三つ、子四つ」


など、はるかなる声にいひて、時の杭さす音など、いみじうをかし。子九つ、丑八つ」などぞ里びたる人はいふ。すべてなにもなにも、ただ四つのみぞ、杭にはさしける。


日のうらうらとある昼つ方

日のうらうらとある昼つ方、またいといたう更けて、子のときなどいふほどにもなりぬらむかし、おほとのごもりおはしましてにや、など思ひまゐらするほどに、

「男ども」


とめしたるこそ、いとめでたけれ。夜中ばかりに御笛の声の聞こへえたる、またいとめでたし。


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・枕草子 原文全集「時奏する/日のうらうらとある昼つ方」

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渡辺実 1991年「新日本古典文学大系 枕草子・方丈記」岩波書店
松尾聰,永井和子 1989年「完訳 日本の古典 枕草子」小学館
萩谷朴 1977年「新潮日本古典集成 枕草子 下」 新潮社

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