五榜の掲示
五箇条の御誓文が出されたのが1868年3月14日ですが、その翌日3月15日に
五榜の掲示(ごぼうのけいじ)が国民に対して出されました。
これは、
明治になって初めて出された国民に対する禁止令です。
一札:五倫道徳遵守
五倫の道徳の尊守をすること。そして殺人・放火・強盗を禁止しています。
五倫とは、君臣・父子・長幼・夫婦・朋友のことを指します。
二札:徒党・強訴・逃散禁止
江戸時代と同じように、大勢で集まっての民衆運動を禁止しています。
三札:切支丹・邪宗門厳禁
キリスト教を邪宗門として禁止しています。
しかしこれは諸外国から批判を受け1873年に廃止されました。
四札:万国公法履行
外国人への暴行を禁止しています。
ここでいう暴行とは、攘夷のことです。
五札:郷村脱走禁止
罪を犯して逃げることを禁止しています。
江戸時代以前から続いていた高札と呼ばれる形式で民衆に知らされました。
広く庶民に法令を伝達してきた高札も、伝達手段の整備や印刷技術の向上などにより次第に使われなくなっていきます。
この五榜の掲示が、高札として最後の掲示物となりました。