はじめに
このテキストでは、
新古今和歌集で詠まれている「
山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水」という歌について説明していきます。
原文
山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水
現代語訳(口語訳)
あまりにも山の奥深くなために、春になったとも気づかない、そんな侘び住まいの松の戸に、雪解けの水で玉のようなしずくが、とぎれとぎれに落ちてくる。
単語・解説
山深み | 山の奥深く |
松の戸 | 松でできた粗末な扉=粗末さを感じる |
たえだえ | とぎれとぎれに |
雪の玉水 | 雪解け水のしたたりを玉に例えた表現 |
※体言止めの技法が使われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
山 | ー |
深み | 形容詞・ク活用の語幹+接尾語 |
春 | ー |
と | 格助詞 |
も | 係助詞 |
知ら | ラ行四段活用・未然形 |
ぬ | 打消の助動詞・連体形 |
松 | ー |
の | 格助詞 |
戸 | ー |
に | 格助詞 |
たえだえ | 副詞 |
かかる | ラ行四段活用・連体形 |
雪 | ー |
の | 格助詞 |
玉水 | ー |