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『去年見てし秋の月夜は照らせども相見し妹はいや年放る』 現代語訳と品詞分解

著者名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、万葉集で詠まれている「去年見てし秋の月夜は照らせども相見し妹はいや年放る」という歌について説明していきます。

原文

去年見てし秋の月夜は照らせども相見し妹はいや年放る

現代語訳(口語訳)

今年の秋に見る月は、去年見た月と同じように夜空を照らしているけれど、その月を一緒にみた妻の存在は、年が経つごとにいよいよ、遠くへ行ってしまう。

解説・鑑賞のしかた

柿本人麻呂が、亡くなった奥さんのために詠んだ歌です。月という普遍的なものと、亡くなってしまった妻(普遍的ではない)を対比させることで、妻を失った悲しみを痛いほどに訴えかけています。

単語


男性から親しい女性に対する呼び方。奥さんや恋人を指すことが多い
いやいよいよ
年放る年々遠ざかる。妻の存在が年々遠ざかってしまう


品詞分解

※名詞は省略してあります。

去年
(マ行上一段活用・連用形)
(完了の助動詞・連用形)
(過去の助動詞・連体形)

(格助詞)
月夜
(係助詞)
照らせ(サ行四段活用・已然形)
ども(接続助詞)
相見(マ行上一段活用・連用形)
(過去の助動詞・連体形)

(係助詞)
いや(副詞)

放る(ラ行四段活用・終止形)

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『教科書 精選国語総合』 東京書籍
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店

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