はじめに
インドといえば、現在世界でも人口の多い国の1つとして知られていますね。
このテキストでは、インドに興った古代文明について勉強しましょう。
インダス文明の成立
紀元前2300年ころから、インド亜大陸に流れるインダス川流域に都市文明が興りました。
この文明はインダス文明と言われ、世界最古の文明の一つです。
インダス文明では、河口近くの
モヘンジョ=ダロと、中流域の
ハラッパーという2つの都市が栄えました。
(モヘンジョ=ダロ)
2つの都市は、構造が似ていて、平野に築かれた城壁で街を囲み、外敵の侵入に備えていました。また、舗装された道路や、上下水道が完備されていて、安定的な農業の収穫によって支えられた文明だったと考えられています。
このインダス文明は同時期のメソポタアの都市国家とも貿易していたとされていて、青銅器や彩文土器、印章なども使用されていました。
(インダス文明で用いられた印章)
豊かなインダス文明でしたが、次第に衰退し始め、紀元前1800年頃に滅亡してしまいました。
アーリヤ人の侵入
最初の文明の滅亡後、中央アジアで遊牧生活を送っていたインド=ヨーロッパ語族の
アーリヤ(アーリア)人という民族がインドに侵入します。
アーリヤ人の文明では、さまざまな自然現象を祀った多神教が信じられていて、このころ、『
リグ=ヴェーダ』という儀式・祭式を記した文献が成立しました。
紀元前1500年頃から紀元前1000年までの期間を、この文献からとって
前期ヴェーダ時代といいます。