パイロットには欠かすことのできない三角比
なぜ勉強するのかよくわからない三角比ですが、ここでは飛行機のパイロットを例に出して、実際に三角比がどのように使われているのかを説明していきましょう。
まず、次の問題を考えてみてください。
A君は、右手にあるビルの高さを測ろうとしています。
わかっているのは、A君の身長が180cm、ビルまでの距離が1km、そして∠BAD=30°、∠BDA=90°ということです。
以上の条件を使って、ビルの高さを求めなさい。
このような問題をよく目にしますね。
これは
実際に飛行機を操縦するときにも大切な知識の1つとなります。
例えば機体が滑走路から10km離れている場所を飛んでて、高度が500mとしましょう。
パイロットは実際のフライトの前に、予想される風速や天候状況をあわせて、滑走路に何度の角度で向かっていくのかを計算します。この計算に必要なのが三角比の知識です。
図で見ると次のようになります。
A地点を飛行機が飛んでおり、B地点が滑走路です。
飛行機の高度は500m(AC)で滑走路までの距離は10km(BC)です。このとき、滑走路への入射角(∠ABC)を求めてみましょう。
なるほど、先ほどの問題と似ていますね!
仮に予想していた天候条件が大幅に違ったら、着陸態勢に入る前にまた計算をしなおします。このように
三角比は航空業界では当たり前のように使われているのです。
では実際に解いて見ましょう。
教科書の裏に載っている『三角比の表』を用意しておきましょう。
AC=500m、BC=10kmよりtan∠ABCが求まります。
tan∠ABC=AC/BCより
tan∠ABC
=500/10.000
=1/20
=0.05
となりますね。
ここで三角比の表を見てみましょう。
tanθ=0.05に一番近い値をとる角度は何度でしょうか?27°ですね。
実際にはもっと複雑な計算があるのですが、航空機のパイロットや自衛隊のパイロットを目指す方は特に理解しておかないといけない単元なのです。